ムッシュ曰く「彼を実際に目にしたことはないけど、大学生の時にここで友人とサッカーや政治の話をしていたよ」と貴重な証言を頂いた。

1992年、パリ11大学に入ったルディは、サッカーの指導者資格取得に向けて学ぶとともに、教育学を専攻していたという。彼は一体どんな会話をしていたのか・・・夢が広がる話を幾つか聞くことができた。

「ルディは将来監督になることを見据えて、大学に入って勉強していたみたいだね。ほら、ヴェンゲルも大卒だろ?彼らは若い頃机に齧りつきながら、友とコーヒーを嗜んで頑張っていたのさ」

そう語ったムッシュは先に席を立つ。別れ際の言葉はこうだった。

「頑張れよ、日本人」

肝心のコーヒーの味は、口に含めば深く豊かな味わいが広がるゴージャスなもの。角砂糖を一つ沈めれば、わずかな甘みが加わり香りはさらに芳醇になる。

余談になるが、イングランドでも監督同士で紅茶を嗜みながら様々な議論を交わすことが習慣になっているようだ。エスパニョールを指揮していた際のデイヴィッド・モイーズも、「スペインでもやりたい」と発言していた。そのエピソードに、欧州の知的文化を垣間見ることができそうだ。

一方で、フランス人であるはずのアーセン・ヴェンゲルはそれを行うことがないようだ。友とは学生時代に語り尽くしてしまったのだろうか?

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