なでしこジャパンの永里優季が、元キマグレンのクレイ勇輝が7月27日にリリースした1stミニアルバム『AGAIN』のプロモーションビデオにスペシャル出演した。同PVでは永里の他、プロボクサーの山中慎介、プロサーファーの湯川正人と3人のアスリートが共演を果たしている。
「今の私にピッタリの曲だと思いました」
2月に行われたリオ五輪予選で敗退した永里は“どん底”の状態に陥った。メダルの期待を背負いながら、五輪出場を逃したことで、かつて世界一に輝いた“国民的ヒーロー”はマスコミから猛バッシングを浴びた。
「全てを投げ出したくなった。孤独で、どうしたらいいかわからなくなっていた。目指すものがなくなってしまった」
このままサッカーを続けるべきかどうか――。現役引退という4文字まで頭をよぎった。永里はサッカーから距離を置き、いろいろな場所に行って、たくさんの人と会ったようだ。次のステージに向かうためのヒントを追い求めて。
「そんな時に、『AGAIN』のプロモーションビデオ出演の話をいただいて。聞いてみたら、これ私のための歌じゃんって(笑)」
永里にとって音楽とは「常にそばにあるもの」だという。家にいる時、車に乗っている時、電車やバスに乗っている時。その時の気分に合わせて、聴く音楽をチョイスする。
「勇気が欲しい、ヒントが欲しい、自分の力や判断だけでは一歩を踏み出せない、どうしたらいいか悩んでいるときに、歌を聞くことで、これでいいんだって自信を持てたり、背中を押してもらったりしています」
クレイ勇輝がキマグレン解散後、初めて発表したミニアルバム『AGAIN』は立ち止まりかけていたアスリートにとって「どストレートにかぶっていた」。
忘れたいCRYに声に出して泣いた時でも
空を見上げ歩くから
笑っちゃうくらいに孤独に負けそうな夜でも
いつか朝日登るから
もう一度信じてみよう
僕は僕のままで大丈夫
そう何度でも何度でもAGAIN
(『AGAIN』より)
前向きな言葉に背中を押された。そして永里は新たな目標を見つけた。
「なでしこジャパンをもっと夢のある場所にしたい。サッカーをやっている女の子に、胸を張って『女子サッカー選手を目指してね』って言えるように。それが今の目標です」
自分のためではなく、誰かのために。新たな思いを抱いて、なでしこジャパンのエースは「再び」走り始めた。