『Union Radio』は「管制塔との通信記録によって、コロンビアで発生したラミア社の飛行機事故の原因は燃料不足と通信エラーであった可能性が高まった」と報じた。

事故当日の月曜日は大雨。飛行機のパイロットを務めていたミゲル・アレハンドロ・キロガ・ムラカミ氏(ラミア社の共同創業者でもある)は、ホセ・マリア・コルドバ空港の管制タワーと墜落数分前から連絡を取り合っていた。

空港までわずか5分という場所を飛んでいた事故機は、まず管制タワーに対して優先的な着陸権を求める通信を行っている。

パイロット:燃料の問題が発見されたため、優先的な着陸権を求める

(13秒後)

管制:燃料問題のために着陸の優先順位を要求しているということで正しいでしょうか?

パイロット:そうだ

管制:了解しました。ローカライザー(計器着陸装置)をそちらに向け、7分後に着陸の方針を伝えます

その4分14秒後にはふたたびパイロット側から「燃料は緊急的状況にある。すぐに着陸コースを要求する」と通信が行われる。

それを受けて管制タワーはアプローチ中であった他コロンビア機を迂回させ、17秒後に事故機との通信を行う。

右旋回と高度を落とすことを要求するも、それをパイロット側は「難しい」と拒否し、既に降下し始めていることを伝えた。

そして管制タワーはアビアンカ航空9771便、アビアンカ航空9356便に指示を行った後、16秒後に再度の通信を行い、着陸に向けての完全な指示を送った。

しかしその2分4秒後にパイロットから緊急的な連絡が入る。

パイロット:当機は全て故障した。パワーが全て失われた。燃料が尽きた

(6秒後)

管制:進路はクリアです。消防士に警告しています

パイロット:方向が失われた。(着陸するための)コースへの方向が

管制:レーダー信号喪失。進路に通知がありません

この後パイロットは9000フィートまで高度が落ちたことを報告した後、通信に応答することはなくなった。

なおアビアンカ航空の現役パイロットによるこの音声の分析では、事故機は電源が全て失われる直前まで緊急事態宣言を出していないこと、それまでに絶対的な優先権を与えるよう要求がなかったことが指摘されているという。

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