世界のサッカーシーンにおいて、その確かな実績と技術力により尊敬を受けている北米の雄メキシコ。

そんな同国の1部リーグに所属するケレタロは24日、日本人の西村亮太氏がトップチームのコーチに就任したことを発表した。

西村氏は大阪の出身で現在31歳。

筑波大学大学院でコーチング学を修了し、2010年8月に単身メキシコへ。日本でS級に相当するライセンスを取得した後、複数のクラブでユースチームを指導し、昨年は2部リーグのタンピコでコーチを務めた。

西村氏を招いたケレタロは1950年に創設され、今年で67年目を迎える。これまで1部リーグで獲得したタイトルはなく、近年まで2部と行き来するクラブであったが、2013年に使ったある“禁じ手”は物議を醸した。

この時クラブは2部に降格することになったのだが、これを良しとしなかった当時のオーナーは別の1部のクラブを金銭で買収。本拠地をケレタロ州に移し、名称を「ケレタロFC」に変えることで実質的な残留を果たすという日本では考えられない“力技”を実行したのである。

その後、クラブは2014年に元ブラジル代表のロナウジーニョを獲得するなど1部リーグに定着。結果的にこの力技が功を奏した形となっている。

なお、クラブは先月まで元メキシコ代表監督のビクトル・ブセティッチ氏が率いていたが、成績不振により解任され、アシスタントを務めていた元メキシコ代表MFハイメ・ロサーノ氏が新たな指揮官となった。

ロサーノ氏と西村氏は指導者を養成する国立学校時代の知り合いであり、どうやらそのことが今回の人事に繋がったようだ。

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