開幕6連敗という泥沼のスタートを切った今季の大宮アルディージャ。
しかし首位浦和レッズとのダービーマッチを制し、ドラマチックな展開で初の白星を掴んだ。
とは言え、JリーグYBCルヴァンカップでも未だ勝利から見放されている大宮。依然苦しい状況が続いているのだが、先週末に行われたベガルタ仙台戦、会場となったNACK5スタジアム大宮は興奮の坩堝と化した。
1-1の同点で迎えた89分、仙台の選手からボールを奪った岩上祐三がルックアップ。前線に向かって正確なロングボールを供給すると…(03:10から)。
これを大宮の「新10番」こと大前元紀が華麗にトラップ!
一時はDF渡部大輔と対峙するも、足腰の強さを感じさせる切り返しから上手く抜け出し、素早く右足を振り抜き劇的な逆転ゴールをあげた。
この試合では後半スタートからの出場になった大前。
岩上からのボールにはスピードがあり、試合終了間際ということで相当な緊張もあったはず。しかしそれでも、確かなテクニックでボールの勢いを殺し、決勝点に繋がる鮮やかなトラップを披露してみせた。
この日の大宮のゴール裏には「見せろ 勝利への執念」というメッセージフラッグが掲げられており、大前はそれに相応しいだけのプレーを見せた。
試合後、大前は「試合を通してみんな戦っていたと思いますし、良いゲーム運びだったと思います」とコメント。
血書点については岩上のボールを褒めつつ、「トラップも完璧だったし、どのタイミングでもシュートを打てる状況の中で、しっかり相手を見てゴールを決められたのは良かったと思います」と振り返った。
また、大宮の渋谷洋樹監督も「元紀が今日、点を取ってくれたことは本当にうれしく思います。彼も移籍してきてなかなか結果が出ないと、いろいろな責任を感じていたのかなと普段から思っていましたし、彼を生かすような形を作り上げていないということで、私も責任を感じていました」と話している。