31日に迎えるオーストラリア代表との試合は、ハリルジャパンにとって非常に大きな意味を持つ90分だ。
サウジアラビアがUAEに屈したためここで負けても致命的ではない状況ではあるが、ホームでの試合でワールドカップ出場を決められる最後のチャンスだ。
なんとしても勝ち点3を獲得したい日本代表の前に立ちはだかるのは、この数年アジア地域で激しいライバルとなってきたオーストラリアだ。
かつてはハリ-・キューウェルやブレット・エマートンなど「黄金世代」をベースにして、ロングボールとフィジカル重視の攻撃で鳴らしてきた。
しかしアンジュ・ポステコグルー代表監督の就任以降は若い選手を積極的に起用し、Aリーグで採用されたパスサッカーをベースに試合を作っている。
「アンジュ・チルドレン」ともいえる現在のチームは、非常に才能豊かである。Aリーグ、そしてその下部組織の文化で育まれたタレントと言ってもいいだろう。
その中で、今チームを支えている存在なのがMFアーロン・ムーイだ。
1990年生まれのムーイは今年26歳。来月27歳になる司令塔であり、オーストラリアの組み立てはすべて彼を経由すると言っても過言ではない。
16歳でイングランドに渡り、ボルトン・ワンダラーズの下部組織で育成された後、スコットランドのセント・ミレンでプレー。
2012年には創設されたばかりのウェスタンシドニー・ワンダラーズと契約し、トニー・ポポヴィッチ監督の下でボランチとして台頭した。
その時トップ下を務めていたのが小野伸二(現コンサドーレ札幌)であり、この縦関係はウェスタンシドニーの生命線といえるラインであった。