地元カタルーニャ、町クラブのサッカーに受けた衝撃
U-11男子 PSV Einthoven 対 CCE Tiana
オランダの名門PSVアイントホーフェンと地元カタルーニャの町クラブの試合。
試合前のウォームアップを見ていると、PSVがいかに名門であるかが感じられました。選手たちの自信に満ち溢れた表情、チームが醸し出す雰囲気はそこいらの町クラブには出せないもの。
対する地元の町クラブCCE Tianaは、近所の子供たちが集まってできたような雰囲気。
PSVが圧勝するものだと思っていたのですが…。
試合が始まってみると予想外の光景を目にすることに。PSVの洗練されたサッカーに見事に対応するCCE Tianaの選手たちに衝撃を受けました。
ボールをサイドに素早く展開してスピードのあるドリブラーがガンガン勝負を仕掛けるPSV、身体能力の差は歴然であり、切り込まれる…と、誰が見てもそう考えるような展開が続くのだけれど、CCE Tianaの選手たちは絶妙な間合いとポジショニングでPSVに決定機を作らせないのです。
個人戦術がとても優れている
これは守備だけではなく、攻撃時にも感じたことです。
一人ひとりの身体能力、ボールコントロールスキルは明らかにPSVの方が上でした。CCE Tianaは、ドリブルが得意だけれど味方を上手く使うのが苦手で我の強い選手がいたり、ちょっと太っていてスピードはないけれどキック力と精度が高い選手がいたりと、個性豊かなチームでした。
そんな強みと弱みがはっきりした選手たちが、いかにPSVの良さを封じ、自分たちの弱さを隠し、良さを表現するか、ということを一人ひとりが理解し、それを実行していました。
自分たちの都合の良い場所にボールを運び、相手の嫌がるところでプレーする。この年代でそれが戦略的にできることに衝撃を受けたのです。
後半、PSV選手のシュートがディフェンスに当たり、ちょっと不運な形で先制点を許したCCE Tiana。全体のラインを上げてリスクを犯して戦わざるを得ない状況になったことで、決定機を演出することに成功するもののゴールができない。逆にカウンターで後方のスペースを上手く使ったPSVに追加点を決められる。
最後は一矢報いたものの、結果は3-1でPSVの勝利。
しかし、私の目を引いたのは名門PSVではなく、地元カタルーニャの町クラブの方でした。