前回の続きから…)

――その「レアル・マドリー挑戦」のエピソードを是非聞かせてください。

いつもカレンさんとは話してるので、既に話した気になっていたんですけど…わかりました(笑)

これはスペインに挑戦してすぐの話なんですが、ある日本人の方から紹介されて、レアル・マドリーのU-19チームの練習に参加したんです。

で、そこからトントン拍子で進んで、実は最終選考まで残ったんですよ。最終選考は、スペイン国から絞り込まれた選抜同士、11人対11人の紅白戦でした。

そして結果なんですが、実は4点も決めちゃったんです(笑)

――さらっとまとめてくれましたが、4点という結果はスルーできないです(笑)

そう、自分でもビックリ(笑)

で、この時の面白い話としては、レアルのトップチームの何選手かがクラブハウスから見ていたみたいで、「あいつは何者なんだ?」と彼らの中で話題になっていたそうです(笑)

まぁ、僕は前半から気づいていたんですけどね。「あ、マルセロ見てるなー」って(笑)

正直、僕は「ラウール好き」だったんで、ラウールに見て欲しかったんですけど…。

そして、試合後、その選手たちが下りてきてくれて握手しました。あ、そこではしっかりとラウールと握手できましたよ(笑)

ずっと試合を見てくれていたマルセロからは「ナイスゴール!」と言葉をかけてもらいました。

――それは大きな自信になったのでは?

はい、自信になりました!

たぶん、そのタイミングだと思いますね。

「あ、おれサッカーできるんや」って感覚になったのも。

――しかし、そこからが長かった…。

そう、長かった…。

その試合の後、レアルのコーチも連絡先を聞いてくるし、正直、「これ、決まったな!」と高を括ってたんですけどね。

気が早い僕は家族にもすぐ連絡。「お母さん、おれ、Yahoo!ニュース載るかもしらん」とも伝えました(笑)

――しかし…

結果としては、ぬか喜びに終わりました(笑)

それで、その練習を紹介してくれた日本の方とも相談して「どこのクラブに行ったらいいんだろうか」と。

ただ、おれは「プレー出来るならどこでもいい」って感じだったので、加入先は「てきとー」に決めちゃいました(笑)

――「てきとー」?(笑)

はい、「てきとー」(笑)

机の上にチーム名が書いた紙をクシャクシャにして置いたんですよ。

で、「ここにしよっ!」って手に取ったのが、イジェスカスというクラブでした(笑)

――自分の将来をそんな決め方するとは驚きました(笑)

まぁ、僕にとってはどこも一緒だったんです。やらないといけないことは決まってたから。とにかく、試合に出て点を取ることだけ。

――となると、当時はFWだったんですか?

これにも面白い経緯があって、実はそのレアルの紅白戦がFWデビューです(笑)

――信じられないのですが…

いや、マジです(笑)

最初はDFとして登録してたんですが、練習に行ってみたら「お前、FWやれ!」と言われて…。

でも、それでゴールを奪っちゃったし、そこからはFWとしてプレーしてましたね。

――経験はあったんですか?

小学校ぐらいの時はFWやったりトップ下とかやってましたけど、大きくなってからはボランチ、右サイドバックがメインで。後はセンターバックですかね。

なので、まぁ、未経験です(笑)

ただ、スペインに行って、すぐになんとなく感じてましたね。

「ここでは、アシストとゴールが一番アピールできるな」、「海外で認めてもらうには結果しかないな」って。

――それでイジェスカスにもFWとして行ったんですね。

はい、9番です(笑)

誰に聞かれても、「おれ、ヌエーベ(9番)、デランテーロ(FW)だよ」って答えてました(笑)

まぁ、そこから徐々にポジションを下げていったんですけど(笑)

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