勝敗を決するキック&セーブから論争を巻き起こす判定まで、サッカーの歴史においてさまざまなドラマを生んできたペナルティーキック。

専門家や選手の間でも「運の要素が強い」「いや、技術の違いが出る」など意見が分かれており、PK戦に関しては「ABBA」方式が一部で導入され、シュートアウト制が検討され始めているのは周知のことだ。

しかし、GKでいえばジエゴ・アウヴィス、キッカーでいえば遠藤保仁(ガンバ大阪)と、この道を極めし者が存在するように運だけで片付けられないのは確かであろう。今回、そんな彼らに続くべく、「新たなPK職人」と呼べる選手が出現したようだ。

その選手の名前はブライアン・カラスコ。チリのアウダックス・イタリアーノに所属する26歳のMFである。

かつて「マイコン2世」としてレアル・マドリーやバルセロナが獲得に乗り出したとも報じられたカラスコ。結局、ウディネーゼに保有権を買われ、ディナモ・ザグレブへ貸し出されたものの欧州では成功できず。現在は国内に戻り、アウダックス・イタリアーノでプレーしている。

そんな彼は7月に開幕したリーグ戦で9試合8ゴールを記録し、ロベルト・グティエレスと並んで得点ランキングで首位に立っているのだが、実はなんとそのうち7ゴールがPKなのだ(もう1点もFK)。

『As』によれば「9節までに7つのPKを決めた最初の選手」であり、通算では18/21(成功率85.71%)、昨年10月15日に止められて以来、8連続でPKを決めているのだという。

調べてみると、リーグ戦ではここ14得点中11ゴールがPK、7月のカップ戦でも1つ決めているという尋常じゃないハイペースぶりである。

「いや、そもそも9試合で7回もPKを決めるチャンスがあるってどうなのよ…」

と思わなくもないが、やはりその点についての批判はある模様。ただ本人は気にしていないようで、「僕はボールを全く見ないんだ。GKが先に動いてくれることを願っているよ」とPKを決める秘訣を明かした。

ちなみに同胞のアルトゥロ・ビダル(バイエルン)も「PK職人」として知られるが、カラスコはビダルのチームメイトであるロベルト・レヴァンドフスキを参考にしているのだそうだ。

まさに新たなPK職人の誕生といった感じだが、この記録をどこまで伸ばしてくれるのだろうか。

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