人口350万人ほどの小国にもかかわらず、タレントを次々に輩出することで知られる古豪ウルグアイ。
そのなかでも人口10万人ほどのサルトという小さな町に、わずか21日違いで生を受けたスアレスとカバーニは特別にして奇跡的な存在だ。
彼らは同じクラブチームでプレーしたことはないものの、スアレスはクラブ通算550試合365得点、カバーニが同522試合317得点、代表ではそれぞれ95試合49得点、98試合40得点と、驚くほどに似通った数字を残している。
もしメッシやロナウドがいなければ、彼らは「世界一のストライカー」という称号を受けていたかもしれない。それほどのFWが同じ時期、同じ代表チームでプレーするのは、100年に一度あるかどうかの奇跡であり、間違いなく“世界最強の2トップ”候補であろう。
ただ、そんな彼らの相性がいいかといえば疑問符もある。
過去、カバーニは互いのスタイルには違いがあるとしつつ、「お互いの呼吸を合わせたり理解するのが難しい時がある」と話したことがあった。
スアレスはあまりカバーニについて多くを語っていないが、いい補完関係にあったフォルランに比べると、その関係はどうにもぎこちなく映る。
昨年10月にはこんなこともあった。ワールドカップ予選のボリビア戦でパスを巡ってスアレスとカバーニが言い争い、その後、スアレスがゴールした際にカバーニは祝福をしなかったのだ。
当時カバーニは所属するPSGでネイマールとの不仲を伝えられており、スアレスとも不仲ではないかと報じられることになった。
その二人が招集されているウルグアイ代表は現在、中国入りしており、本日チャイナカップの初戦でチェコと対戦する。
スアレスは昨年11月の代表戦を負傷で外れたため、この大会が復帰戦。つまりボリビア戦の騒動以降、カバーニとコンビを組む久しぶりの試合となる。
二人とも31歳。年齢的にはロシア大会が最高の状態で臨める最後のワールドカップになるだろう。彼らは良好な関係、“世界最強の2トップ”として本大会に臨めるのか?このチェコ戦でそれを確かめたい。