『Reuters』は27日、「スイス代表の3選手に科せられた罰金は、コソボからの寄付で賄われるかもしれない」と報じた。
事件は22日に行われたセルビア対スイスの試合で発生した。
ゴールを決めたスイス代表FWジェルダン・シャキリとMFグラニット・ジャカが、両手を胸の前で重ねて広げるパフォーマンスを見せたのだ。
また、その後キャプテンを務めているシュテファン・リヒトシュタイナーも同じポーズをした。
これはアルバニアの象徴である「双頭の鷲」を意味するジェスチャーで、FIFAが禁止している「政治的アピール」に該当する。
シャキリとジャカはコソボにルーツを持っているアルバニア人であり、シャキリは1歳にスイスへと移住してきたという経験を持つ。
ユーゴスラビア紛争で大きな被害を受けたコソボは、セルビアとマケドニア、アルバニア、モンテネグロに囲まれた小さな地域。
セルビアに属する自治州に当たるが、アルバニア人が多数を占めるコソボは1998年の紛争以降独立運動を行っている。
一方セルビア政府はそれに反対しており、コソボを国家として承認しておらず、対立が続いている状況だ。
その状況を受けてのパフォーマンスであったわけだが、調査の結果彼ら3名には警告と罰金あわせて2万5000スイスフラン(およそ277.5万円)が言い渡された。
しかし、それに応えたのがコソボに住むアルバニア人たち。多くの人々が寄付を集め、罰金分を賄おうとしたのだ。
まだ処分が確定してから数日という状況でありながら、すでに集まった額は2万7000ドル(およそ296万円)に達しているという。
ただ、スイスがそれを受け取るかどうかはまだ不明であり、資金も現時点では送られてはいないとのこと。