コロンビアリーグで最多の優勝回数を誇る強豪アトレティコ・ナシオナル。

昨季は前期リーグを2位で終えるも、後期リーグは9位と不振に苦しんだ。それでもナシオナルは、コロンビアの4番手として今季のコパ・リベルタドーレスに2次ラウンドから出場する。

そのナシオナルが1月25日に今季の新ユニフォームを発表したが、シャツにはクラブのレジェンドであり、25年前に理不尽な凶弾に倒れた元コロンビア代表主将アンドレス・エスコバルを追悼するロゴを、ひっそりと取り付けている。

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Club Atlético Nacional 2019 Nike Home

アトレティコ・ナシオナル 2019 Nike ユニフォーム

伝統的にグリーン/ホワイトのストライプを基調とする、ナシオナルのユニフォーム。今季は垂直ストライプに水平ストライプを織り交ぜたデザインが登場した。キットカラーはホームタウンであるメデジン市の旗に由来する。

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1970年代から90年代にかけてクラブは黄金期を迎えるが、中でもハイライトは1989年のコパ・リベルタドーレス優勝と、同年12月に行われたACミランとのトヨタカップだろう。89年大会のこの試合では、当時欧州最強だったミランと延長にもつれ込む接戦を演じた。

もっとも、当時のクラブの背後には、パトロン(事実上のオーナー)として麻薬王パブロ・エスコバルの存在があったのは有名な話だ。

そして、映画『二人のエスコバル』の題材にもなったように、このクラブには“もう一人のエスコバル”、元コロンビア代表主将アンドレス・エスコバルが在籍していた。

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アンドレスは1994年W杯アメリカ代表戦で、敗戦の引き金となったオウンゴールを献上。結果としてチームはグループステージで敗退となる。これ理由に1994年7月、アンドレスはメデジン市郊外のバーで射殺される。いわゆる「エスコバルの悲劇」である。

NEWキットの首元内側には、一見するとエンブレムに見えるロゴをプリントしているが、そこには「INMORTAL(不死、不滅)」の文字と、彼がナシオナルとコロンビア代表で付けていた背番号「2」を見ることが出来る。アンドレスの名は刻まれていないが、今年の7月で没後25周年を迎える彼への追悼を意味しているのは明白だ。

今回の追悼ロゴについて、実はクラブは一切触れていない。ロゴを付けておきながらである。アンドレスの事件には賭博シンジケートの関与が噂されているが、やはり今でも触れ難い何らかの事情が存在するのだろうか。