今治の市民性

――青木さんはもともと地元の方ですか?

青木:僕はここが地元ですね。大学の4年間だけ出ていました。

――大学を出て今治に戻ろうと思ったきっかけは?

青木:いろいろありまして。普通に県外で就職してたんですが、全然合わずにすぐに戻ってきたんですよ。大学を卒業して、1年も経たないうちに戻ってきて、今治でフラフラしてて(笑)。

それこそ、『株式会社ありがとうサービス』の井本社長に拾ってもらったんです。そこで10年くらい仕事していたら急にFC今治の仕事をやることになりまして。

出向で『株式会社今治.夢スポーツ』に行ったんですが、当時は今治の人もFC今治を知らなかったので、今だから話せますが他の従業員の方も「青木さん、左遷されたんですか?」という感じでした(笑)。

――地元出身ということは、今治の市民性はよく理解されていると?

青木:どうなんですかね。今治市の市民性でいうと、「熱しやすく冷めやすい」というのはよく言われます。

愛媛でも南予はのんびりしてる人が多いと言われますが、今治は漁師、港町なのでせっかちな人が多いと言われます。「焼豚玉子飯」という名物があるんですが、あれも早く作れてすぐに食べられるからと。

――「鉄板ですぐに焼けるから」という理由で、焼き鳥が名物になったとタクシーの運転手さんから聞きました。

青木:焼き鳥もそうですね。せっかちがベースなのかもしれません。

そういう市民性なんで、飲食店がオープンすると最初は皆さん行くんですよ。でも飲食店ってどこもオープンの時はどうしてもオペレーションが不十分で待たされることも多かったりしますよね。

そうなると「あそこダメだったよ」みたいな評判がすぐに広まっちゃって、そのままもう行かないという話はよく耳にします。

うちも最初のこけらおとしで5,000人以上の方が集まってくれましたが、勝負はそれからでした…。

――夢スタは車でのアクセスが便利だと感じましたがいかがでしょうか?

青木:はい。個人的にはそう思います。

宮崎:タクシーで10~15分くらいですもんね。(渋滞などで)詰まることもなく。

試合が終わってから車の「捌け方」を見ていましたが、けっこういいですね。両サイドから出ていきますし。

車でのサッカー観戦は大抵、駐車場がなかったり、渋滞に巻き込まれたり、Jの試合を含めてあまりポジティブな印象がなかったんですけど。

青木:はい、帰りも30分くらいで捌けたりするんです。今回の試合は雨でしたが、本来、晴れていたら倍くらいの車が止まります。それでもけっこうスムーズなので、そこはいい部分かなと思いますね。

――それなりに歴史があれば、試合についてあれこれ言い合いながら歩いて帰るんですが、せっかちな市民性、サッカーの文化が根付いてない地域だとそれも重要なことですね。

青木:多くの方が「今治に岡ちゃんが来たぞ」から始まっていると思うので、「夢スタ」にはサッカーやJリーグを見たことのない方が多く来られていると感じています。おじいちゃん、おばあちゃんとか。

なので、そもそもサッカークラブがどういうものかとか、観戦する時にどうしたらいいかなど、まだ知らない方が最初は多かったように思います。

岡田さんやってきた次の年、半分くらいの選手と契約の更新をしなかったんです。そうすると、「なんでそんなに切るんだ」「もう応援しない」という意見がたくさんきました。

他にも、ユニフォームって定期的にデザインが変わりますよね。でもその時に「なんで変えるんだ、こないだ買ったばかりだぞ」という意見をいただいて…。

そこからなんです。面白いことに、2年目以降は選手が何人入れ替わろうが、ユニフォームが変わろうが何にもありませんでした。そういうものなんだと認識してくれたみたいです。

なんていうか、僕たちと一緒にファンやサポーターの方もサッカークラブというものを学んでいってるようなそんな感じがしますね。

宮崎:それいいですね。

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