グループステージを首位で突破し、ベスト8でニュージーランドをPK戦の末に破った日本代表。東京五輪準決勝はスペインとの対戦となった。
序盤からボールを保持するのは予想通りスペインだった。日本はこれまでよりもかなりディフェンスを重視して試合に臨み、裏のスペースを潰しながら入ってくるパスのカットを狙い、カウンターにつなげようとした。
何度かピンチはあったものの、成長を遂げた守護神谷晃生の見事な1対1セーブもあり、日本はなんとか失点を逃れつつ僅かな光明を見出そうと粘りの戦いを見せる。
日本のディフェンスによって拮抗した展開となった試合は、なかなか動きを見せないままで時間が過ぎていく。
52分には酒井宏樹のロングボールから旗手怜央が裏に抜け出すことに成功し、日本に大きなチャンスが訪れる。そこからの落としを林大地がシュートに持ち込むも…惜しくも枠の右へと外れていった。
そして56分には逆にスペインへチャンスが訪れる。左からククレジャのクロスが入ると板倉滉がクリアしきれず。抜けてきたボールをメリノが拾って持ち込み、吉田麻也のタックルがファウルに。これがPKと判定されるも…。
だが、これは後に審判がVARのオンフィールドレビューでジャッジを変更し、PKの取り消しを決定した。
このあともさらに圧力を強めてきたスペインの猛攻、それをなんとかしのぎながらカウンターに光明を見出そうとする日本。
65分に相馬が投入されてからはスペースを利用できる場面も増えたが、マルコ・アセンシオも投入して攻勢を強めるスペインもチャンスを連続して作り出す。谷晃生のスーパーセーブ連発もあって一進一退、緊張感が切れることなく試合は0-0のまま延長戦に突入した。
ここで森保監督が仕掛けに出る。チームの中心だった久保建英と堂安律を下げ、前田大然と三好康児を同時投入。攻撃的なククレジャに前田をぶつけるカウンターで勝機につながる糸を探した。
111分には三好康児のフリーキックから複数回の大きなチャンスを迎えるも、日本はここでゴールを決められず。最後に訪れた自分たちの時間にリードを奪えなかったことが、大きなツケとなってしまった。
その4分後、スペインに勝利の女神が微笑む。スローインからの展開でペナルティエリア左に入ったマルコ・アセンシオが、ターンからスペースを作って見事なシュートを放つ。これがゴール左隅に突き刺さり、この試合の先制点となった。
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そして試合はこのまま終了。最後まで粘った日本代表であったが、延長後半残り5分で失点。惜しくも決勝への切符を手に入れられず、再びメキシコと戦う3位決定戦へと回ることになった。
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