日本代表チームが本日ワールドカップ予選で戦うオマーン代表。第1節ではホームで0-1と敗れてしまったこともあり、そのリベンジマッチとして注目が集まっている。

【動画】ホームでオマーン代表を相手に0-1と敗れてしまった日本代表

アラビアの国と戦うとき、いつも話題になるのは選手の名前。NHKや民放、さらにはDAZNなどでその表記が違うのだ。

ときには試合や大会によって名前のピックアップする場所が違い、まったく異なった選手のように扱われてしまうことも。

なぜそんなことになるのか、そしてオマーンの名前はどのようにして作られるのか。

今回は在オマーン日本国大使館の専門調査員を務めていらっしゃる村岡静樹さんにインタビュー。現地の「名前事情」を伺うことができたぞ。

――アラビア語の名前の構造は?

基本的には、本人の名前が最初に来て、その次に父親の名前、さらにおじいさんの名前という感じでひたすら続いていくんです。昔の日本人のサムライが「我こそは~の~の~の…」と名乗るようなものですね。全人類のご先祖さまとされるアダムまで続く、長大な家系図を持っている人もいるんですよ。

そして最後に苗字のような「部族名」をつけます。

――なるほど、日本語で言う苗字は「部族名」なんですね。長いほうが由緒ある家ということでもないんですか?

どちらかといえば、オマーン人はみんなフルネームが長いので、状況と本人の趣味によって短くしています。普段は「本人の名前+父親の名前」や「本人+部族名」にしたり、パスポートであれば3世代くらい遡って書いたり…。

また、アラビア語では名前の付け方の感覚が少し違います。

――名前の付け方が違う?

日本人は、わが子のために名前を「つくる」ことも多いと思いますが、こちらはいい名前を「えらぶ」のが一般的です。

ですから、ムハンマドのような人気の名前は、他の人と被ってしまうことがよくあります。例えば私の友達は、親戚にムハンマドが9人もいますが、お互いに部族名やあだ名を駆使して乗り切っているようです。

日本でよく知られているアラブ人で言えば、パレスチナ解放機構で議長を務めていたアラファト氏。彼も本当は「ムハンマド」なのですが、もっぱら通称のアラファトで知られていましたね。