スポーツ界にも大きな影響を与えているロシアのウクライナ侵攻。チェルシーのオーナーであるロシア人富豪のロマン・アブラモヴィッチ氏は両国の和平交渉に協力しているとされる。

そうしたなか、『Sky』は、アブラモヴィッチ氏とウクライナの和平担当者が毒物によると思われる中毒症状に苦しんでいたと伝えた。

同氏を含めた3人に目の充血、痛みを伴う流涙、顔と手の皮膚が剥がれるなどの症状が現れたとのこと。目に刺すような痛みがあり、アブラモヴィッチ氏は視力を数時間失ったそう。

調査サイト『Bellingcat』は「化学兵器による中毒と一致する症状」としつつ、毒素の量と種類は生命を脅かすには不十分なものであり、「怖がらせることを意図していた可能性が高い」としている。

ただ、アメリカはこの化学兵器説に疑念を抱いており、米政府高官は「中毒ではなく環境によるものであることが強く示唆される」と述べたという。

なお、アブラモヴィッチ氏らはすでに回復しており、命の危険はないとのこと。

そうしたなか、テレビ朝日系列で放送されている『ワイド!スクランブル』でもこの話題をピックアップ。ロシアの軍事・安全保障政策の専門家である小泉悠氏はこんな話をしていた。

「ちょっとまだ情報が足りなくて全然よく分からないんですよね。

Bellingcatみたいな国際的な調査団体は、殺そうとまではしたんではなくて、警告だったんじゃないかみたいことを言っているんですけど。

他方でウクライナ政府の側は、本来だったら本当にロシアの攻撃だったら激しく非難すると思うんですけど、そもそもそんなものはなかったって言い方もしていますし。

それから、アブラモヴィッチさんが攻撃を受けたっていうのがおもしろいんですよね。

彼は本来ロシアの大富豪のひとり、どちらかといえば、ロシアの政権内の人物だったはずなんだけども、自分が持っているイギリスのサッカーチーム、チェルシーを売却してウクライナ支援に充てるんだみたいなちょっと政権と距離をとるような姿勢なんかも示したりして、少し政治的に微妙な立ち位置にあった人物ですよね。

だから、そういったことが実際にどう影響したのかどうかも含めて、ちょっとこれはこれからの続報待ちだと思っています」

まだ情報が錯綜しているものの、アブラモヴィッチ氏が狙われた点は興味深いと見ているようだ。

【写真】アブラモヴィッチのお買い物 ワースト10

なお、ウクライナのゼレンスキー大統領は、アブラモヴィッチ氏は人道的支援に尽力したとしつつ、ウクライナ軍への資金提供を提案しているロシアの実業家たちがいるとも述べている。