鹿島アントラーズは17日のJ1リーグで名古屋グランパスに0-0で引き分け。自慢の2トップも不発に終わり、首位浮上を逃した。
この試合では議論を呼んだのが、66分と67分のシーンだろう。
66分に鈴木優磨(鹿島アントラーズ)、67分に相馬勇紀(名古屋グランパス)が相手選手と空中戦で競り合った場面。
腕が相手の顔の位置まで高く上がったとして鈴木にはイエローカードが提示されたが、直後、似たような状況だった相馬はファールこそとられたもののイエローカードは提示されなかった。
この判定基準に鹿島側のベンチは猛抗議し、岩政大樹コーチにもイエローカードが提示される事態に。SNSにも「鈴木は好きじゃないけど不公平」「(感情の激しい)鈴木に対する主審の先入観では?」との意見も飛んだ。
ピッチ上で激しく抗議していた鈴木は、試合後にもInstagramのストーリー機能を使って判定に対する疑問を投げかけている。
この場面は『DAZN』の『2022 Jリーグジャッジリプレイ#8』で取り上げられることに。もちろん鈴木個人への審判団の先入観について語られることはなかったが、出演者全員の意見は「どちらもイエロー」。
鈴木の競り合いの場面、SNSには「肘が顔に入ってるわけじゃない」という反応もあった。しかし元国際主審で審判インストラクターなどを務める深野悦子氏は、
「(鈴木は)腕の硬いところが顔に当たっている。軽く打っている…押していると言ったほうがいいかもしれませんがそういう行為。肘で振ったりはしていないので退場まではいかないですけど、(基準として)首から上は気をつけましょう、一段ジャッジを上げましょうということになっています」
と語り、どちらもイエローカードが妥当だったと説明した。
元国際主審の家本政明氏も双方のイエローが正しかったとしたうえで主審のポジショニングを指摘。
「最初の鈴木選手のところではレフェリーがすごく良いポジションで見えている。だから腕の加減など全ての状況が分かっていた上で判断できたのですぐに(カードを)抜く。正しい判断だったと思います。ただ次の場面(相馬)でどうかというと、レフェリーはくしざしになる。(相馬の)左手が(視覚的に)奥から横にくるので、なかなかそれをキャッチできにくいポジション。この立ち位置からすると、レフェリーはこの状況を正しく判断するのは難しい」
と、鈴木の競り合いは正面から見えていたのに対し、相馬の場面はポジション的に死角となって見えなかったのではないかと話した。
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そのうえで家本氏は「副審と第2の審判は良い角度で見れていたはず。何故(主審を)助けてあげられなかったのかなという疑問点はあります。(彼らが)サポートできたシーンかなと」と話し、さらにあの場面ではどちらにもイエローを出すことが“試合のマネージメント”として良かったのではないかと述べた。