今冬2年半ぶりに鹿島アントラーズに復帰したFW鈴木優磨。4月26日は26歳の誕生日だ。
そんな彼は、かつて小笠原満男が付けた「40番」を背にピッチ上で圧倒的な存在感を発揮する反面、その熱すぎる振る舞いで毎週のように騒動を巻き起こしている。
先週末のルヴァンカップ・大分トリニータ戦でも1ゴールを決めたが、結果的として相手の指揮官を激怒させる場面も作った。それがこれ。
前半終了間際に鹿島がPKを獲得したシーン(動画0:46~)。
味方のクロスにペナルティーエリア内でうまく入れ替わった鈴木は、大分のDF羽田健人のファールをうまく誘いPKを獲得。さらに羽田を一発退場に追い込んだ。
このPKは荒木遼太郎が相手GK西川幸之介に防がれたが、鹿島は後半になって立て続けにゴールを奪い3-0で勝利している。
ただこの結果に納得がいかないのは敗れた大分の下平隆宏監督。
試合後、PK献上の場面に言及し「映像でも確認したがあれがPKなのか、(プラス)退場なのかというところでジャッジに関しては不満がある。腹立たしい気持ちでいっぱい」と怒りを露わにした。
近年のサッカー界は三重罰(PK、退場、次節出場停止)の軽減に取り組んでいる。そうしたなかで確かにPKプラス退場は厳しい判定のようにも映る。
ただJFAの「サッカー競技規則2021/22」にはこのようにある。
「競技者が相手競技者に対して反則を犯し、相手競技者の決定的な得点の機会を阻止し、主審がペナルティーキックを与えた場合、その反則がボールをプレーしようと試みて犯された反則だった場合、反則を犯した競技者は、警告される。
それ以外のあらゆる状況(押さえる、引っぱる、押す、またはボールをプレーする可能性がないなど)においては、反則をした競技者は、退場させられなければならない」
“決定的な得点機会の阻止”(いわゆるDOGSO)において、ボールにいった結果としてのファールは警告となるが、「押さえる、引っぱる、押す」などそれ以外のプレーについては「退場させられなければならない」としている。
映像をよく見ると、大分のDF羽田はボールに関係のないところで鈴木の肩に左手をかけており、また軸足にも接触があったようなので、ルール的にいえば主審の判断は正しかったといえる。
【写真】日本代表、2022年にピークを迎えていなければならなかった10名
ただ下平監督は「ルヴァンにはVARがないが、あればPKとレッドカードは取り消しになっていたと思う」とも話しており、そもそもこのプレーが鈴木の過剰なジェスチャー=シミュレーションだったと考えているようだ。