2023年のシーズンの開幕が近づいている中国超級リーグ。かつてはアジアを席巻したコンペティションであるが、第1節まで1ヶ月を切った段階でまだ戦うチーム数すら決まっていない。
その理由は多くのクラブが経営難に陥っているためで、中国サッカー協会は先日「債務整理が完了したクラブのリスト」を発表していた。
これによれば、中国超級リーグでは3つ、甲級リーグでは4つのクラブが危機的な状況にあり、まだシーズンを戦えるかが分かっていないよう。
深圳市FC(旧深圳紅鑽)は巨額の給与未払いが残っているほか、韓国の江原FCに支払うべき移籍金を77万ドル滞納しており、FIFAから命ぜられた慰謝料の支払いも行われていないそう。
一方キム・ミヌが所属していることでも知られる成都蓉城については、深圳市FCと同じく国外のクラブへの移籍金を滞納している状況ではあるものの、比較すれば財政基盤が安定している状態だという。
また広州城FC(旧広州富力)は賃金の滞納があるものの、およそ2000万元(およそ3億9000万円)ほどで解決できる状況であるとのこと。
そして、2部で深刻な状況にあると伝えられているのが、かつて『広州恒大』と呼ばれていた広州FC。
先日の報道では「もはやクラブ解散はやむなしの状況」と伝えられていた。選手ら利害関係者とのの話し合いが進まず、練習すらスタートできていない状況であるとのことだった。
ただ今回『網易』が伝えたところによれば、まだ広州FCの関係者はすべてを諦めてはおらず、解決策を見出そうとしているとのこと。
すでにほとんどの主力選手を放出したことから人件費が削減されており、退団した選手も「フリーエージェントで移籍させる代わりに、残りの賃金を諦めてもらう」という条件で放出しているとか。
また、解決策の一つとして考えられているのが、これまで広州恒大時代に費やした巨額の移籍金の「調整料」であるという。
これはリーグの経営を安定させるために中国サッカー協会に預けられているものだそうで、広州恒大時代に預けた額は6億元(およそ110億円)。広州FCはその返還を要求しているとのことだ。
ただ、今のところそれは認められていないようだ。
その理由は、以前サッカー協会が青少年育成支援金として広州FCに一部を返還したあと、その使い道が明らかにされなかったためだという。
また広州FCは巨大なサッカースクールとアカデミーを抱えているため、最悪の場合はそこに所属している若手だけでプレーすることも可能だとのことだが…。
それにしても、リーグに参加するにはまず給与の滞納や移籍金の滞納を解決しなければならないため、調整料の返還要請と紛争を抱える選手たちとの話し合いを両面で続けていくようだ。
中国超級リーグは本来18チームで行われているが、最悪の場合は16チーム体制に変更することも考えられているそう。4月15日の開幕まであと1ヶ月、どのような動きがあるだろうか。