Jリーグ公式Youtubeチャンネルは30日、今シーズンのJリーグを振り返る「Jな夜会2023」の後編を公開した。
今回出演したのはワッキー(ペナルティ)、曺貴裁(京都監督)、横内昭展(磐田監督)、酒井高徳(神戸)、太田宏介(町田)、森脇良太(愛媛)、そして野々村芳和(チェアマン)の7名。
その中で、Jリーグと海外リーグの「守備の違い」が語られる場面が。同じドイツでサッカーを学んだ曺貴裁監督と酒井高徳は、「ディレイさせるよりは行って抜かれたほうがいい」という感覚を持っていると明かしていた。
森脇「Jリーグのチームだと、『引く』というか…まず一対一の局面になると『吸収する』という。でも海外の選手は奪い切る。100か0かの勝負を仕掛ける。それは結構違うのかなと思うんですけど」
曺「俺がよく言うのは…◎◯△✕の四段評価があったとしたら、ディフェンスでボールを奪うのが◎。抜かれるのは△。でも、手前で止まるのは✕だと。
手前で止まるよりは、抜かれたほうがいいと。かわされたら周りが分かるから。行くふりして止まられるとね。中途半端が一番ダメという」
酒井「俺も『そっち』なんで。俺も前線の選手にはよく言うんですけど『お前はボールを取らなくていい』って。
『限定だけさせるように行ってくれ』と言う。お前の行くスピードと距離感で、俺はどこにボールが出るかを予測して取りに行っているから…と。
逆にお前がそこで止まってしまうと、予測が崩れてしまうから、俺がやられたように見える。お前が仮に抜かれて1対2になったとしても、俺はそれでも守れるから大丈夫だと。
行き方も言いますよ。相手が右足で持ったら、あるいは左足で持ったら、『この距離で行け、この角度で行け』と。剥がされたときに俺はいるから、抜かれる方がまだマシなんだと。
ドイツの考え方ではそうなんですよ。抜かれたときには、相手はヘッドダウン(下を見ている)しているので、周りが見えていない。だから2~3人目が取りに行ける。
だから俺は『行ききれ』と言います。『行く圧力を高めろ』と言います。そのために相手が下を向いて周りが見えていなければ、俺はバッと行くんで」
遅らせる守備がよく見られる日本のサッカー。ただ酒井高徳からすれば、相手が抜いた瞬間こそボールを奪えるチャンスになるため、むしろ行ききってくれたほうがカバーしやすいとのこと。