今後の動向

今後は多重国籍の優位性と国内サッカー強化による良質な選手の育成により、発展途上国はより強化が進むことは間違いないだろう。競争が激化すれば多重国籍選手も質の高い選手が集まり(質が低ければ招集されないし、競争にも勝てない)、ワールドカップに出場することができればさらなる好循環を期待できそうだ。

このような施策は列強といわれる日本、韓国、オーストラリア、イラン、サウジアラビアで、この中ではイランとオーストラリアは上手く使いこなしている印象がある。イランは過去にヴォルフスブルクで活躍したMFアシュカン・デジャガーを始め、数々の多重国籍選手を補強してきた。近年はあまりルーツのある選手を招集していないが、元スウェーデン代表で現イラン代表FWサマン・ゴドス(ブレントフォード)が中盤でチームの要となっている。

イラン代表サマン・ゴドス

オーストラリアは移民の国として建国した歴史があるため、多重国籍選手補強の障壁は低い。チームの守備の核であるレスターDFハリー・サウターはスコットランドで生まれ育ち、育成年代もスコットランド代表として期待されていた身長2メートルの巨漢DFだ。そして両国は国内育成もしっかり整備されているため、優秀な選手たちを代表チームに供給し続けている。

一方で日本、韓国は単一国籍が原則であるため、多重国籍選手の補強の障壁は非常に高い。両国ともにアジア屈指のインフラ環境、質の高い育成を試行しているため優位性を保っているが、いずれその優位性も日進月歩の勢いで追いつかれるリスクが顕在している。

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アジアの発展途上国の進歩は驚異的な早さで成長している。現在日本はアジア最強と称されているが、後ろを振り返ればすぐそこにライバルたちは迫ってきている。彼らの動向を注視しながら日本も強化を進めなければならない。

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