25日にJ1開幕第1節の東京ヴェルディ対横浜F・マリノス戦が東京・国立競技場で行われ、2-1で横浜FMが勝利して好発進した。

J1では2008年シーズン以来となる伝統の対決は横浜FMが東京Vを圧倒して31年前の再現となった。Jリーグ創設初試合となる1993年5月15日に国立競技場で開催された「93 Jリーグサントリーシリーズ第1節」もきょうと同じカードであり、その試合も横浜マリノスが2-1で初白星を飾っていた。

前半は東京Vの球際の強さ、攻守の切り替えの早さで差をつけられた横浜FM。前半7分にGKホープ・ウィリアムのファウルから東京VのMF山田楓喜の直接フリーキックで技あり弾で先制を許した。

その後も久しぶりのオリジナル10対決は東京Vに主導権を握られた。

後半11分に元日本代表FW宮市亮とFWヤン・マテウスが交代投入されると、徐々に横浜FMの攻撃が活性化。

宮市は‪「向こうが最初に先制点を取ってからゲームをコントロールする形で、なかなか難しいところがあった。自分が入って裏に抜けたり、スピードでかき乱せたらいいなというイメージを持って入りました。とにかく『ゲームを変えよう』、『ゴールをしよう』という強い気持ちで入りました‪」‬と言葉通りの活躍で東京Vと拮抗する展開になった。

ハリー・キューウェル監督から「『スピードを使ってかき乱してくれ』というような指示だった。チームに勢いをもたらそうと思って入りました」と指示を受けてサイドから積極的に攻め立て、自身の推進力を生かして東京Vの勢いを押し返した。

時間の経過とともにギアを上げるトリコロール軍団に、鋭いショートカウンターで立ち向かう緑の挑戦者。試合終盤まで0-1とスコアは動かなかったが、後半40分に均衡が破れた。元韓国代表MFナム・テヒが右サイドからクロスを供給すると東京VのFW河村慶人のハンドを誘発してPKを獲得。同44分に昨季J1得点王のFWアンデルソン・ロペスが冷静にネットを揺らして同点に追いついた。

そして試合終了間際の同48分にFWヤン・マテウスからボールを受けたDF松原健が鮮やかなミドルシュートで決勝弾を叩き込むと、ゴール裏へ駆け寄って横浜FMサポーターと喜びを分かち合った。

宮市は「自分たちが求められている役割というのはゲームの流れを変えるところだと思う。そういった意味でゴールに向かっていきましたし、結果的に勝てることができて良かったです」と安堵(あんど)の表情を浮かべていた。

試合は2-1で終了し、奇しくも31年前の開幕戦と同スコアで決着がついた。