13日に行われた明治安田J1リーグ第23節、FC東京はアルビレックス新潟を相手に2-0の勝利を収めた。
57,885人が詰めかけた国立競技場で、遠藤渓太と野澤零温のゴールにより快勝した首都チーム。国立でのホームゲームでは6勝1分と無類の強さを誇っている。
ただ、この日の主役は61分から途中出場した松木玖生だった。
FC東京は試合当日、松木が海外クラブへの移籍を前提とした手続きと準備のため、この日の活動をもってチームから離脱することを発表。
今季キャプテンを務めてきた21歳は試合後、このタイミングで移籍を決めた理由について尋ねられると「チャンスが来たので、決めました」と答えた。
青森山田高時代からU-18年代を席巻し、高校卒業後の海外移籍も噂されていた松木だが、FC東京への加入を決断。2年半にわたりプレーした。本人はその“成果”について次のように話す。
「FC東京じゃないと自分は試合に出れていなかったと思います。アルベル監督だったり、今のピーター(クラモフスキー)監督もそうですけど、自分を開幕からスタメンで使ってくれたこともそうですし、ピーターに関しては、キャプテンへ任命してもらったこと。自分のサッカーキャリアの中で、すごくいい経験ができたと思います。この経験は必ず次に生きると思うので、しっかりと自分も地に足を付けてやっていきたいです」
FC東京でとくに成長した部分について、松木は「落ち着き具合のところや、ゲームをコントロールできる力も徐々についてきたかなと」と語る。
一方、課題については「まだ海外のチームでやってないので、自分の力がどこまで通用するか分からないですけど、やっぱりスプリントのところだったり、決定力のところも求められてくると思うので、貪欲にやっていきたいと思います」と、新天地でのさらなる成長を見据えていた。
移籍先はまだ発表されていないが、プレミアリーグに今季昇格するサウサンプトンへ完全移籍し、2024-25シーズンは同じオーナーのトルコ1部ギョズテペへ期限付き移籍することが有力と伝えられている。
移籍先を決めた理由について、「一番成長できると思いましたし、自分の夢に近づくにはそこが一番いいかなと思いました」と明かした松木玖生。
世代屈指の逸材ながらパリ五輪メンバー18名に含まれなかった海外日本人11名
パリ五輪出場を諦めてまで移籍の道を選んだ21歳は、「これからは本当に自分との戦いになってくると思います。FC東京(出身)で一番活躍した選手と言われるような活躍をしたいです」という想いを胸に、この夏海を渡る。