アルゼンチン代表MFエンソ・フェルナンデスらがフランス代表に対して“人種差別的”ととられるチャントを歌っていた映像が物議を醸している。
エンソらはコパ・アメリカ優勝後のチームバスで「フランスでプレーしているが全員がアンゴラ出身。母親はナイジェリア人、父親はカメルーン人、でもパスポートには『フランス人』」と歌い、アフリカ系の選手が多いフランス代表を嘲笑した。
エンソはすでに謝罪を表明したが、対象となったフランスサッカー連盟はエンソらの行動について強く非難しつつFIFAへの申し立てを行うと発表。所属するチェルシーも「完全に容認できない」として懲戒手続きを開始した。
ただ母国アルゼンチンからは異論の声もあがっており、同国のレジェンドであるハビエル・マスケラーノ(U-23代表)監督は「冗談として理解していた内容が他の国では誤解されることもよくある」として後輩を擁護した。
また、アルゼンチンのビクトリア・ビジャルエル副大統領は自身のSNSで「歌は真実を語っている」としてヨーロッパ側を痛烈に批判した。
「アルゼンチンは主権を持ち、自由な国です。私たちは決して植民地を持たず、二級の市民も作りませんでした。他者に私たちの生活様式を押し付けたこともありません。
アルゼンチンはさまざまな人々の汗と勇気で成り立っています。どんな植民地主義国家も、スタジアムの歌や真実を口にする私たちを脅かすことはできません。
偽善者たちよ、憤慨していることを装うのはもうやめろ。エンソ、私はあなたを支持します。メッシ、すべてに感謝します!アルゼンチン人は常に誇り高く、頭を高く保つことを誓います!アルゼンチン万歳!」
アルゼンチンは現在、“アルゼンチンのトランプ”と呼ばれるハビエル・ミレイ氏が大統領を務める。いわゆる右側の政権であり、かつて世界中の国を植民地にしたヨーロッパ側の価値観に反発した形だ。
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また、代表のチームメイトであるMFロドリゴ・デ・パウルも「誰かが、あるいはエンソの同僚が気分を害した場合、SNSに載せるのではなく話すのが最善策だと思う。そこには少し悪意がある」と擁護している。