かつて日本を代表するファンタジスタだった中村俊輔氏は、現在、J2で首位争いをする横浜FCでコーチを務めている。
同じく稀代のファンタジスタだった小野伸二氏と、フジテレビ系列の『MONDAY FOOTBALL みんなのJ』で対談した。
小野氏から「監督になったら、やっぱりファンタジスタっていうものを追及して、取り入れたいっていうのは…」と聞かれた中村氏は、こんな話をしていた。
「あぁ~どうだろうね(笑)色んな監督さんがいたじゃん。ファンタジスタっぽいのに、すげぇディフェンスをさせる…反面教師じゃないけど。
でも、(ファンタジスタを)特別視はしないけど、そういう能力がある人をどう生かさなければいけないかなとか。
(中村氏も小野氏も攻撃的MFが本職だったが)例えば、伸二だったら、早めに結構ボランチに行ったじゃん。俺はセルティックでは、4-4-2の右。
どんな選手がいても、勝てるチームに持っていく。その選手の能力を引き出す…。その辺(指導方法)はまだ決まっていない、決まっていないというか、見てみないと分からないというか。
いいトッププレーヤーから監督さんになった人の言葉って噛み砕くと、すごい…今になれば、重要なことをタイミングよく言ってくれたんだなっていうのはあるので。(目指すのは)そういう監督じゃないですか。
だから、ジーコもそうだし。セルティックのストラカンは、マンチェスター・ユナイテッドで。マリノスの時のアルディレスは、マラドーナの後ろでやってた。『マラドーナはさぁ…』って言われるとさ、そんなの聞くしかないじゃん(笑)
そういう感覚の話をするのって、その人が経験してきたこと。それは自分では大切にしたいというのがある反面、人として大事なことは、しっかり喋れるっていうか、伝えられるようにしたい」
ジーコ、ゴードン・ストラカン、オズワルド・アルディレスは、中村氏が日本代表、セルティック、横浜F・マリノスで監督として指導を受けた人物たち。
現役時代のジーコは、ブラジル代表として活躍した天才MFだった。同じく天才MFだったストラカンはマンチェスター・ユナイテッドが移籍金だけでなく、違約金まで支払って獲得したほどの選手で、同クラブで160試合に出場した。
そして、攻撃的MFだったアルディレスはアルゼンチン代表として、あのディエゴ・マラドーナとともにW杯に出場したこともある。