明治安田J3リーグは第29節が終了。試合数にばらつきはあるものの、FC琉球OKINAWAは11位につけている。

J3は現在、首位の大宮アルディージャが独走状態。2位のFC今治と3位のカターレ富山もやや抜け出しつつ一方、4位ギラヴァンツ北九州から11位FC琉球までは勝点5の間に8チームがひしめきあっている。

琉球は今週末、28日(土)にホームのタピック県総ひやごんスタジアムで9位FC大阪と対戦予定。J3でも今季から3位~6位によるJ2昇格プレーオフがスタートするため、昇格争い生き残りをかけた一戦は大きな注目を集めるに違いない。

そんなFC琉球に今季、ガンバ大阪から加入したのがDF藤春廣輝。日本代表歴もある35歳は、開幕からここまで全29試合に先発、チームトップの2604分に出場している。

しかも、プロ入りから13年間を過ごしたガンバ時代での定位置である左サイドバックだけでなく、センターバックのポジションでもプレー。DFとして新たな一面も見せている。

そこでQolyは、FC琉球の主力として活躍する藤春に単独インタビューを敢行!

インタビュー前編では、FC琉球へ移籍した理由やYBCルヴァンカップで早くも実現したガンバ大阪戦「涙の勝利」の裏側、さらにはサイドバックというポジションの面白さ、対戦して嫌だった選手などをたっぷりと聞いた。

早々に実現した古巣ガンバとの対戦「涙の勝利」

――FC琉球では今季、3バックの左でもプレーされています。慣れました?(※インタビューを行った7月時点)

だいぶ慣れましたね。

――センターバックで起用されるにあたって、金鍾成(キン・ジョンソン)監督からは最初どんな感じで言われたんでしょう?

「3バックの左もちょっとやってほしい」みたいな感じで言われてやりだしました。

――ウィングバックもやられたりしていますけど、藤春選手というとやはり左サイドのイメージがある分すごく新鮮です。

そうですね。今までやっていたプレーとは全然違うかなと思います。

――気候も気になります。沖縄の夏はいかがです?

めちゃくちゃ暑いですし、湿度もすごいです。沖縄に試合に来たチームは本当に苦しみますね。どこのチームも。後半は特に。

――Jリーグ全60チームが参戦する形となった新生YBCルヴァンカップでは、1stラウンド2回戦で古巣のガンバ大阪と対戦されました。対戦することが決まった時の気持ちはどうでしたか?

まさかガンバとやれるとは思っていなかったのですごく嬉しかったです。「できる」となって楽しみだったので、かなり勝ちにはいきました。

――あの試合は3バックの左で先発されました。富所悠選手のゴールで先制し、一度は追い付かれましたけど、76分に白井陽斗選手の勝ち越しゴールが決まり2-1で勝利。試合終了前からウルウルきていたとうかがいました。

きていました。「こんなに早くガンバとできて、勝てるんや」という、そういうのを思うとウルっときましたね。

――どんな感情が湧いてきた感じでしたか。

13年間いて、今まで当たり前のようにユニフォームを着ていたのに、「相手の選手が着ている」という今までにない…一番は羨ましかったというか、「あのエンブレムをつけてプレーできるのはすごく羨ましい」というのが一番思いました。

それになんやろ。勝てたというのもすごく申し訳なさもありましたけど、やっぱり上にいってタイトルを獲ってほしいというのが今の…(ガンバを)応援するファンでもありますし。申し訳ない部分もありましたけど、試合になればやっぱり真剣勝負なので勝ちにはいっていました。

※試合終了直後、決勝点の白井(こちらも以前ガンバに在籍)と抱き合う藤春。

――今季のガンバ大阪も好調です。対戦してみて、肌感覚としてどういう印象を受けました?

やっぱり新加入選手がすごく大きいのかな。チームに新しい、プラスになっているかなというのは思いました。

――ダニエル・ポヤトス監督のもとで昨年1年間プレーされました。どんな監督だと感じています?

しっかりボールを握って、そんなに前は細かくなく、攻撃は自由という感じで。もう本当に楽しくと言ったらおかしいですけどそういう感じです。人としても良いですし。

今年は特に調子も良いですし、優勝を狙えるんじゃないかなと思います。