FC琉球OKINAWAは28日、沖縄県庁にて、Jリーグ規格スタジアム整備および2025シーズンクラブライセンス申請等に係る共同記者会見を行った。

沖縄県は2017年8月に「Jリーグ規格スタジアム整備基本計画」を策定。FC琉球や沖縄SVなどJ1への昇格を目指すチームに活躍の場を提供し、相手チームのファンが来沖するアウェイツーリズムを活用した観光の推進を図るとともに、“観るスポーツ”を通して地域活性化と青少年の人材育成に寄与するとの観点から、Jリーグ規格サッカースタジアムの整備が必要であるとの認識にある。

整備候補地は那覇市中心部の沖縄県営奥武山(おうのやま)公園。最初にスタジアム構想が持ち上がったのは2011年のことで、初期の計画では陸上競技場が想定されていたが、2013年にフットボール専用へと変更。「2017年度完成」「2023年度完成」といった青写真と停滞を経ながらも、継続的に検討されてきた。

2023年度はこれまでの各種調査を踏まえ、事業規模や事業範囲、官民連携等について、広く民間事業者からの意見・提案を収集する調査を実施。より実現性の高い手法の検討が行われた結果、この日の共同記者会見に至った。

沖縄県の玉城デニー知事、そしてFC琉球OKINAWAの柳澤大輔代表取締役社長の会見全文は以下の通り(※FC琉球の公式にもほぼ同様の内容のリリースが掲載)。

沖縄県知事 玉城デニー氏

「沖縄県では、新・21世紀ビジョン基本計画において、『スポーツアイランド沖縄』の形成に向けて、Jリーグ規格スタジアムをスポーツコンベンションの核として位置付け、整備を推進してきました。

具体的には、平成29年(2017年)の奥武山公園内にフットボール専用スタジアムを整備する『Jリーグ規格スタジアム整備基本計画』の策定以降、整備費の縮減、財源の確保、法手続きへの対応、そして既存イベントとの調整・検討を行ってきたものであります。

また、令和6年(2024年)1月、Jリーグによる観客席1万5千人以上から、5千人以上とするスタジアム基準の変更を受けて、現行計画の2万人規模での整備を、当初1万人前後の規模で整備を行ったのち、2万人規模に段階的に整備することについて検討を行っております。

現行の基本計画につきましては、策定から6年が経過しているため、コロナ禍を経た社会・経済情勢の変化への対応、財源確保や段階整備等を計画に反映する必要等があることから、令和6年度6月議会に基本計画改定に係る補正予算案を提出しております。

フットボールスタジアムの整備スケジュールにつきましては、令和6年度に基本計画を改定した後、7年度以降に法令手続きと並行して、整備事業者の選定、設計・建設工事を行い、遅くても令和13年度(2031年)に供用開始ができるよう取り組んでまいります。

整備にあたっては、企業版ふるさと納税やガバメントクラウドファンディング等の様々な財源の活用、民間のノウハウを活用するPFI手法の活用、設計・建設と運営・維持管理の一括実施等も前提に検討してまいります。

FC琉球は、県内サッカークラブのトップチームであり、チーム力の強化および集客力の向上は、スポーツ関連産業の振興、そして県民のスポーツ参画の促進およびスポーツコンベンションを推し進め、『スポーツアイランド沖縄』の形成に大きく寄与するものと考えております。

沖縄県では、今後とも、FC琉球、Jリーグ、整備地となる那覇市等と連携し、プロスポーツを通して子供たちに夢を与える機会の創出と、沖縄県経済の活性化に貢献するスタジアムの早期整備に、全力で取り組んでまいります」