10日に行われたアジア最終予選で、日本代表はサウジアラビアに2-0で勝利した。
日本は過去、アウェイでのサウジ戦で勝利はおろか得点もなし。厳しい戦いも予想されたが、前後半に1点ずつを決め、サウジの大観衆の前で危なげなく勝利した。
ある意味では拍子抜けするほどの快勝だったが、その理由の一つとしてレフェリーが脚光を浴びている。
この試合は韓国の審判団が担当したが、主審を務めたキム・ジョンヒョクさんは両者の接触プレーに対してほとんどファールを取らず。前半には一度サウジの選手がペナルティーエリア内で倒されたと主張しVAR判定に持ち込まれたものの、すぐに『ファールなし』として試合を再開した。
これまで中東で行われる試合は、ホームチーム有利の笛が吹かれるものとされてきた。いわゆる“中東の笛”と呼ばれるもので、それがアウェイでの試合を難しくしてきたのは事実だろう。
しかしキムさんは『取らない』ことに関して一貫していた。それにより試合はスムーズに流れ、日本の選手が判定に悩まされる場面はほぼなかったのである。
日本と韓国は歴史的な問題を抱えており、日本の試合を韓国の審判団が担当する際にはそれを危惧する声も一部で上がる。
ただこの日ばかりは、「韓国の審判団は素晴らしかった」「簡単に倒れたくらいでは笛を吹かない、いいレフェリーだな」「安心してみていられるのは、サウジのホームでこの審判団のジャッジが大きい印象」と称賛の声が相次いでいた。
キムさんは1983年生まれの41歳。2009年からFIFAの国際主審を務めており、韓国のオンライン百科事典である『ナムwiki』(※)によれば、同国で数少ない本職の審判員だそう。もともとは代表入りも期待された選手だったが大きなケガにより断念し、審判へ転向したのだという。
ちなみにこの『ナムwiki』にはキムさんのことが詳細に綴られており、「彼はファールに対して非常に寛大。めったに笛を吹かない。エース選手が相手チームの荒っぽいファールを受けるため、多くのサッカーファンから嫌われています」と辛らつな評価。
日本代表が強すぎる!と韓国紙脱帽 「7-0から5-0…完膚なきまでに叩きのめす、圧倒的強さ」
その一方で「幸い、国際大会ではそのようなことはありません」とも書かれていた。
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