プレミアリーグは11月29日から12月5日までLGBTQへの支援を表すためにレインボーカラーのキャプテンマークを使用した。
ただ、イプスウィッチのキャプテンであるサム・モーシーは、レインボーカラーのキャプテンマークを拒否。「宗教的信念のため」とクラブは説明しているが、彼はイスラム教徒とされている。
また、クリスタル・パレスDFマーク・グエイのキャプテンマークに「私はイエスを愛している」や「イエスはあなたたちを愛している」というメッセージを書き込んだことが問題視されている(衣類などへの宗教的メッセージは禁止)。
そうしたなか、『Independent』は、かつてパレスの下部組織で育成されたジャーマル・ハウレット=マンドルの話を伝えていた。
27歳の彼は現在英下部リーグでプレーしている。9歳頃に自分がバイセクシャルだと気付いたが、24歳でカミングアウトするまで15年の苦しい時を過ごしたそう。
9年を過ごしたパレスの下部組織では、自分のセクシャリティとサッカーがどう関係あるかに悩みながら、同性愛嫌悪の侮辱的言葉を頻繁に耳にしていたという。
「ティーンエイジャーの頃、これが自分だということとともに、僕のアイデンティティに同意しない人や受け入れない人がいることを理解し始めていた。
もし、(同性愛嫌悪に)挑戦して、僕が彼らと違うことを誰かが少しでも感じたら、どんな反発があるのかを恐れていた。キャリアは苦しくなるのか、メンタルヘルスは損なわれるのか。
これは自分の中にあるものだとわかっていたけれど、周りのすべての兆候は、サッカー界に僕のような人間の居場所はないことを示唆していた。
(18歳でパレスから放出されると自分のセクシュアリティを隠しながらプレーを続けようとしたが精神的に苦しんだ)
ベッドから出たくなかったり、人と話したくなかったり、サッカーに行きたくなかったりしたことは、過去に何度もあった。2019年には、あまりにつらくて半年ほどプレーするのをやめたんだ。
(2021年に4人のチームメイトに帰りの車中でカミングアウトしたが)こわかった。とてもとてもこわかった。どうしても口から言葉が出なかった。
(カミングアウトへの反応は愛と理解に満ちたものだった)
本当に心が溶けた。なぜなら、僕は『君が誰であれ、どんなアイデンティティであれ、僕らは味方だ』と言ってくれる人たちが必要だったから」
ハウレット=マンドルはサッカー選手と並行して、地元の中学校で指導者も務めているそうで、「僕らが求めているのは、誰かが自分や大切な人たちに対して何か言ってくるのではないかと心配することなく、ただサッカーの環境に足を踏み入れることができること。最終的には教育によって成し遂げられる」とも話していたとのこと。
彼はレインボーキャンペーンよりも、反同性愛嫌悪の直接的な声明が必要だとも考えているそう。