このクラブに感謝している

現在盛岡はJFLで9勝6分12敗の勝点33で9位と今季でのJリーグ参入の可能性は消滅している。本気で盛岡をJリーグ復帰へ導きたかった小林は、強い憤りを感じていた。

画像: ゴール前へ迫る小林(中央、白)

ゴール前へ迫る小林(中央、白)

「もちろん俺はJ3に上がって、もう1回Jリーグでやりたかった。あわよくば2年で上がれば、J2、J1までいけるわけじゃないですか。上に上がれば、もっと予算をかけて、こうやってクラブハウスを作ってくれて、グラウンドも用意してくれている。これだけ周りの人たちがやってくれている。

上に上がれば、もっとお金をかけて強くなれる可能性もあるわけじゃないですか。そう思って来たけど、そこの気持ちには他の選手たちとギャップがありましたね。もちろん上に上がりたいと思って、本気で取り組んでいる人もいます。その本気度の差は天と地でしたね」と語気を強めた。

今年4月からクラブハウスがオープンし、選手たちのサポートに力を入れるクラブに強い恩を感じているからこそ、怒りを口にするシーンもあった。そして小林はブレていない。どんな状況であっても全力でプレーして、シーズンを駆け抜ける構えだ。

「ここでプレーして、まだ全然できるなと。体力的にも技術的にも、全然できると思っている。チームがあれば、来年もどこかでプレーしたいと思う。サッカーが好きだなとか、やりたいなという気持ちは、シーズンを通して試合で使ってもらって思いましたね」と表情が和らいだ。

画像1: このクラブに感謝している

来季の去就は不透明ではあるが、小林は前向きだという。

「これから話し合いだと思うし、条件的にもお金の話もあるから難しい部分があるかもしれないですけど、チームが望むなら、前向きに考えたい。このチームが嫌だから移籍したいとか、そういうふうに思っていません。本当にこのクラブに感謝している」とチーム愛を口にした。

画像2: このクラブに感謝している

今年で33歳を迎えるベテランは、残りの選手キャリアもこれまでと変わらず全力を出してチームをより高みへと導く目標を掲げた。

「もう選べる立場にないので与えられた環境でやるしかないですけど、その与えられた環境で自分のマックスを出すしかない。チームがあれば、そこを一つでも上の順位に引き上げていく。リーグカテゴリーがどこになるか分からないけど、各チームの目標は昇格じゃないですか。上に行くためのお手伝いができればと考えています」と言葉に力を込めた。

画像3: このクラブに感謝している

カテゴリーを問わず全身全霊で戦い続けるテクニシャンは、失いそうになっていたサッカーへの愛を盛岡の地で取り戻した。JFLのピッチで魔法と形容できる美しいプレーを見せてきた小林は今後ピッチに何を残すのか。その生きざまを追い続けていきたい。

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