中村俊輔や西川潤と同じ経路を辿り、水戸へ

神奈川県横浜市出身の齋藤は兄の影響から4歳でサッカーを始めた。両親にサッカー経験はなかったが、幼い頃からサッカーを薦められたそうだ。

当然、“俊輔”の名前の由来は日本サッカー界のレジェンドMF中村俊輔氏(横浜FCコーチ)にあるようで、“本家・俊輔氏”にも挨拶済。「下の名前には触れられなかったです(笑)」とのことだ。

幼稚園に通う年長の頃からは地元・横浜市に拠点を置く「SCH.FC」でプレー。1つ上の学年にFW内野航太郎(ブレンビー/デンマーク1部)、MF松村晃助(法政大学3年、横浜F・マリノス特別指定選手、2027年からの正式加入内定)が在籍しており、幼少期から高いレベルの環境下でサッカーを楽しんだ。

小学校3年時からは横浜F・マリノス・プライマリーに加入し、順調に同ジュニアユースにも昇格。しかし、中学2年の終わりにはコロナ禍で世の中全体の活動がストップしてしまった。

「前年の2019年にF・マリノスのトップチームがJ1で優勝していて、あのアタッキングフットボールはJリーグや日本サッカーに革命を起こしたと思っています。

あの年は何度も現地で観ていたので、だからこそ、『ユースに昇格したい』という想いが強かったのですが、中学3年の6月頃までは活動が止まっていました。本来なら見られていたはずのユースの選考会の時期も極端に短くなってしまったので…。今考えても本当に悔しく、難しい時間でした」

ユースへの昇格が叶わなかった齋藤は神奈川県の名門・桐光学園高校に進学。横浜F・マリノスのJユースから桐光学園への進学は中村俊輔氏や藤本淳吾氏といった元日本代表も辿った経路だ。また、齋藤が入学する2年前までは当時のU-17日本代表のエースFW西川潤(サガン鳥栖)も在籍。彼もまた、F・マリノスのJユース出身だった。

「ありがたいことに多くの高校からオファーをいただきました。また、3歳年上の兄が高体連でプレーしていて、その兄が『今の神奈川県で1番強くて良い環境』と言っていたのもあって、桐光学園に決めました」

高校入学直後はまだまだ収束しないコロナ禍の影響もあったが、高校3年時にはプリンスリーグ関東2部で水戸のユースとも対戦し、インターハイ(令和5年度全国高等学校総合体育大会)では決勝進出。決勝のみベンチスタートとなり、惜しくもPK戦の末に準優勝に終わったものの、大会直後には水戸からの正式なプロ契約のオファーも届いた。

「水戸には高校3年の5月から7月にかけて2度の練習参加をしていて、プロ契約のお話はインターハイ終了直後に桐光学園の監督から聞いて初めて知りました。

実は大会中に同期入団することになるMF碇明日麻選手の水戸への加入が発表されて、彼は高校サッカー界のスター的存在だったこともあって、『2人は獲らないだろうな』と思っていたので、ホッとしました(笑)。

水戸を選んだ理由としては、まず自分がどうしても『高卒でプロになりたい』と考えていたことと、実際にオファーがあったのが水戸だけだったこと。高校時代の自分はまだまだ無名な選手だと自覚していたので、本当にありがたいお話でした。

正式加入するにあたっても、育成の業務提携で海外クラブへ練習参加に行けることや、選手をピッチ内外で育成するプロジェクトもたくさんあることなどをプレゼンしていただいて、しっかりと納得したうえで決断しました」

画像: (C)Qoly
(C)Qoly

「水戸をJ1に昇格させて、水戸からロス五輪、世界へ」

現在、大混戦のJ2リーグは残り8試合。水戸は長崎に勝点で並ばれながらも依然として首位をキープしている。その中で20歳の青年はクラブとU-20日本代表として、どのような目標を掲げているのだろうか?

「今シーズンは個人として5ゴール5アシストを目標にしていたんですけど、今7点決めているので、少し(U-20W杯で)離脱しますけど、二桁ゴールを目指して残りのシーズンを戦っていきたいと考えています。

正直、シーズン前はこの時期に自分たちが首位にいるとは想像してなかったのですが、今はクラブとしての目標は優勝しか考えていません!

U-20W杯についてはアジア杯で悔しい想いをしたので、まずは自分が試合に出て結果を残すことを考えています。クラブが重要な時期を迎えるなかで自分が抜けるので、不甲斐ないプレーはできないですし、ちゃんとU-20W杯に行って来た“意味”を示す大会にしたいと思います」

毎月のように各賞を受賞し、特大のインパクトを放つ齋藤には今後、海外移籍のオファーも殺到することが予想される。現時点で海外をどの程度意識しているのだろうか?

「小さい頃は海外のサッカーはほとんど見た記憶がないんですけど、最近はアーセナルとアーセナルの主将であるMFマルティン・ウーデゴール選手(ノルウェー代表)が好きで、プレミアリーグをよく見ています。

自分はまだ語学の勉強はしてないんですけど、いずれはヨーロッパの5大リーグ(イングランド、スペイン、ドイツ、フランス、イタリア)でプレーして、チャンピオンズリーグに出場したいと考えています。

そのためにも今シーズンは水戸でJ1昇格を決めて、最近は水戸から次のロサンゼルス五輪(2028年)に出られるような選手になっていきたいと考えるようになりました。

そして、“水戸から世界へ”ということを考えたいと思います」

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