カルロス・ロア
引退&復帰の理由として、これほどユニークな例はないだろう。アルゼンチン代表GKカルロス・ロアが一度引退を決めたのは、怪我でも衰えでもなく、「世界の終末」を信じたからだった。
1998年のワールドカップでアルゼンチン代表の守護神として活躍したロアは、所属先のマジョルカでもコパ・デル・レイやカップウィナーズカップの決勝進出に貢献した名選手だった。ピマンチェスター・ユナイテッドも関心を示していると報じられていたほどだ。
しかし彼は「終末思想」を掲げていたセブンスデー・アドベンチスト教会という新興宗教の信者でもあった。2000年を迎えるとともに世界が滅びると信じ、隠遁生活に入るためにスパイクを脱いだ。
しかし、新年を迎えても世界が滅びる気配がないことが分かると、1年後にマジョルカへ復帰。契約期間を全うするために戻ったものの、1年のブランクは大きく、かつての輝きを取り戻すことはできなかった。
ポール・スコールズ
マンチェスター・ユナイテッドの象徴的存在だったポール・スコールズは、2011年に自身10度目となるプレミアリーグ制覇を成し遂げた後、輝かしいワン・クラブ・マンとしてのキャリアに幕を閉じた。
しかし、それから1年も経たないうちに、アレックス・ファーガソン監督はマンチェスター・シティとのダービーマッチで、ベンチメンバーに背番号22の名を書き込んだ。この衝撃的な復帰は、実はチームメイトさえも直前まで知らされていなかったという。
引退後はリザーブチームのコーチを務めていたスコールズだったが、自分にはまだやれるという手応えを感じ、ファーガソンに現役復帰を打診した。
そして当時は中盤の層の薄さに悩まされていたファーガソンにとって、この申し出は願ってもないものだったという。シーズン残りの6ヶ月を戦い抜いたスコールズは、さらに1年の契約延長にサインした。
現役復帰した最初の試合では、普通にスポーツショップで売っているスパイクを買ってプレーしたというスコールズ。次のシーズンでは自身11度目のリーグタイトルをコレクションに加え、本当の「有終の美」を飾った。
