日本代表で背番号10を背負う堂安律。
昨夏、移籍金2100万ユーロ(約38.5億円)でフライブルクからフランクフルトに引き抜かれた。
昨年8月時点でカップ戦を含めて4ゴールを叩き出す活躍ぶりだったが、その後、チームは不調に陥り、彼もその影響を受けている。
シーズン中の監督交代に踏み切ったフランクフルトは、アルベルト・リエラ新監督のもとで最近5試合で2勝2分1敗と復調気味。ただ、堂安は2試合連続でベンチスタートになった。
『Frankfurter Rundschau』は、「フランクフルトは堂安を巡るジレンマに陥っている」とその現状を伝えている。
「堂安は、再びベンチ行きを余儀なくされた。事態は危険な方向へ向かっている。
昨夏にフライブルクから2000万ユーロを超える移籍金で加入したこの日本代表選手にとって、状況は必ずしも順調とは言えない。
リエラ監督は、4-1-4-1のフォーメーションにおいて、堂安をサイド起用することはなくなり、センターポジションに回すことが増えている。
『頭が混乱している』と、模範的なプロ選手は最近、要求の変化について語った。
監督交代後、堂安自身とチーム全体に多くの課題が突きつけられている。堂安はその挑戦を受け入れ、問題を起こすことなく、落ち着いてプレーしている。
しかし、中盤は競争が激化している。リエラ監督は「堂安の出場機会が減れば、他の選手の出場が増える。12人を起用することはできない」と説明。スペイン人監督は、堂安には「非常に満足している」としつつ、「全選手を同時に起用することはできない」とも述べた。
これは関係者全員にとってジレンマだ。スポーツディレクターのマルクス・クロシェもこの展開に満足していない。彼はこの日本代表の移籍に尽力した人物。堂安はクラブ史上最高額の移籍金で獲得した選手のひとり。クロシェは「我々は層が厚い。誰かがベンチ行きになることは常に起こり得る。今回は律だった」とコメントした。
この人事問題を軽視することは到底できない。堂安はブンデスリーガで最もスペクタクルな選手の一人としてフランクフルトに加入した。彼は日本のスター選手であり、代表62キャップを誇る。夏のワールドカップを見据え、日本は最高の状態にある堂安を必要としている。そしてフランクフルトもそのビジネスモデルを考えれば、貴重な戦力を無駄にするような余裕はない。
リエラ監督はシーズン終盤も彼を必要とするか?堂安は8ヶ月前に強いモチベーションを持って加入した。プレシーズン中にはフライブルクとの長期交渉に耐え抜いた。サウジアラビアのアル・ナスルが提示した高額な金にも魅力を感じなかったとされている。
才能豊かなレフティにとって、現状は満足できるものではないだろう。ただ、ヨーロッパリーグ出場権獲得レースにおいて、堂安は解決策の一つとなるはずだ」
フランクフルトは現在7位だが、欧州コンペティション出場権が得られる6位レヴァークーゼンとの勝点差が9ある。
堂安は再びポジションを取り戻せるのか。ワールドカップを控えるサムライブルーにとっても重要事項になりえる。
筆者:井上大輔(編集部)



