マタイス・デ・リフト(オランダ)
マタイス・デ・リフトの欠場は数ヶ月前から予想されていたこととはいえ、オランダ代表にとっては大きな打撃だ。
彼は昨年11月に発症した背中の問題が悪化し、当初の予想よりも事態は深刻化。マンチェスター・ユナイテッドのルベン・アモリン監督は軽傷であることを示唆していたが、リハビリは停滞した。最終的に手術は避けられず、5月にクラブが正式に手術実施を発表したことで、W杯出場の道は完全に閉ざされた。
怪我をするまで、彼はクラブと代表の両方で中心的な存在だった。その守備能力やリーダーシップ、大舞台での経験値は、クーマン体制のオランダにおいて先発レベルの価値があった。
フィルヒル・ファン・ダイクの相棒を誰が務めるのか。ディフェンスラインに大きな不安を残したまま、オランダは本大会へ挑むことになる。
エステヴァン(ブラジル)
今大会の最年少スター候補として、世界中が熱視線を送っていたのが18歳のエステヴァンだ。チェルシーに加入した「神童」は、欧州1年目こそコンディション調整に苦しんだものの、その非凡な才能の片鱗を見せつけていた。
ブラジル代表のカルロ・アンチェロッティ監督も、その爆発的なスピードと恐れを知らない仕掛けに魅了され、本大会での重用を確信していたという。11月の親善試合では2試合連続ゴールを決め、若くしてスタメンの座を掴みかけていた。
しかし4月のマンチェスター・ユナイテッド戦ですべてが暗転した。激しいハムストリングの負傷に見舞われ、涙ながらにピッチを後に。手術こそ回避されたものの、回復がW杯に間に合わないことが判明した。
ブラジルにとっては貴重なジョーカーという武器を失うことになり、エステヴァン本人にとっては、まさに世界にその名を轟かせようとした瞬間に訪れた、あまりに切ない足踏みとなってしまった。
ロドリゴ(ブラジル)
ブラジル代表にとって、ロドリゴの欠場はおそらく今大会で最も大きな痛手。レアル・マドリーでも指導を受けたカルロ・アンチェロッティ体制下で、ヴィニシウス・ジュニオールとともに攻撃のタクトを振るうことが期待されていたが、膝の負傷がそれを白紙に戻してしまった。
悲劇が起きたのは3月に行われたヘタフェ戦。不自然な形で足をひねったロドリゴはその場に崩れ落ち、前十字靭帯断裂という最悪の診断が下された。すでに手術を終えているものの、復帰は2027年までずれ込む見通しである。
クラブと代表の両レベルで世界屈指のアタッカーとしての地位を確立していたロドリゴ。アンチェロッティ監督も彼を攻撃の核に据える構想を描いていただけに、ブラジルは技術的支柱を欠いた状態となり、前線の再構築を余儀なくされている。
サム・アゲホワ(スペイン)
まだ世界的なスターというわけではないかもしれないが、サム・アゲホワの不在はスペインにとって大きな誤算だろう。
FCポルトで公式戦32試合20ゴールと爆発的なシーズンを過ごしたこのストライカーは、欧州で最も前途有望なセンターフォワードの一人として名乗りを上げていた。
スペインを率いるルイス・デ・ラ・フエンテ監督も、この1年で彼を徐々に代表へと組み込んできた。スタメンの座が確約されていたわけではないが、その圧倒的なフィジカルと決定力は、他のスペイン人FWにはない異質な武器となっていた。
しかし、2月に襲った深刻な膝の怪我によって、その期待は霧散した。シーズン絶望とともに、大会を数ヶ月後に控えてワールドカップへの道が断たれた。ポルトでの飛躍を国際舞台での「真の覚醒」へと繋げるはずだった彼にとって、あまりにも残酷なタイミングでの離脱となった。
