ロジェ・ミラ:W杯最年長得点記録(42歳39日)
1994年、カメルーンの象徴ロジェ・ミラがロシア戦で決めたゴールは「聖域」となった。
クリスティアーノ・ロナウドやルカ・モドリッチ、ペペといった面々が「年齢による衰え」という概念に挑んではいるが、42歳を超えて、しかもフィールドプレーヤーとしてネットを揺らすのは全く別の次元の話であるように感じる。
ただ、医療やトレーニングの充実が続けば、もしかしたら数年後には「43歳でゴールを決める選手」も生まれるかもしれない。メッシやロナウドが「2030年大会にも出る」と宣言する可能性もあるのだから。
イサム・エル・ハダリー:W杯最年長出場記録(45歳161日)
ゴールキーパーはフィールドプレーヤーとは異なる時間の流れを生きている。それを証明したのがエジプトのエル・ハダリーだ。
2018年大会のサウジアラビア戦に出場した際、彼は45歳161日。さらにはPKをストップするという映画のような英雄譚まで付け加えた。
45歳でフィットネスを維持し、信頼され、選出されるというハードルはあまりにも高い。不屈の精神とタイミングが産んだ執念の記録である。
デヤン・スタンコヴィッチ:3つの異なる国でW杯に出場
スタンコヴィッチが持つこの記録は、本人の意向だけでは不可能な、奇妙な歴史の産物だ。彼は1998年にユーゴスラビア、2006年にセルビア・モンテネグロ、2010年にセルビアの代表選手として出場した。
これは本人が忠誠心を変えたわけではなく、国家の解体という政治的な激動によるもの。現在のFIFAの資格ルールや国際情勢を考えれば、3つもの異なる「代表チーム」でW杯のピッチに立つことは、スポーツの枠を超えた歴史の遺物と言える。
ルイス・モンティ:2つの異なる国でW杯決勝に出場
モンティの物語は、初期のW杯の混沌を象徴している。彼は1930年にアルゼンチン代表として決勝を戦い(ウルグアイに敗戦)、その4年後の1934年にはイタリア代表として決勝に出場し、優勝を果たした。
現代では国籍変更のルールが厳格化され、アイデンティティへの監視も厳しくなったため、決勝を戦った後に国を替えるなどということはまず考えられない。ルールや境界線がまだ曖昧だった時代の遺物のようなものだ。
