NHKの井上樹彦会長は6月17日の定例記者会見で、開幕したFIFAワールドカップ2026への思いや日本代表の戦いぶり、中継体制への評価について語った。

今大会の日本国内における放送は、配信サービスのDAZNが全104試合をライブ配信する一方、NHKは日本代表戦や注目カードを中心に放送を担当。日本代表はノックアウトステージに進出した場合を含め全試合を生中継するほか、地上波では計34試合を放送し、BSプレミアム4Kでは全104試合を生中継・録画放送する体制を敷いている。

会見ではまず、日本時間15日(月)早朝に行われた日本代表のグループステージ初戦・オランダ戦について触れ、「朝5時のスタートという早朝の試合でしたが、私もライブで観戦しました」と明かした。

試合は2-2の引き分けに終わったが、井上会長は「世界ランキングで上回るオランダを相手に2度リードされる展開となりましたが、そのたびに追いつき、粘り強い戦いぶりでした」と評価。大会直前にキャプテンの遠藤航が離脱したことにも言及し、「チームの状態が気がかりだったのですが、困難な状況をチーム全体で受け止めて、結束して戦っていたように感じました」と振り返り、「このあとのチュニジア戦に期待したいと思います」と続けた。

また、オランダ戦で解説を務めた本田圭佑についても高く評価した。井上会長は「解説とアナウンサーの実況が試合展開と連動しながら一体感を生み出し、視聴者に強い印象と感動を与えた」と述べ、「本田さんご自身の言葉による率直なコメントが印象的で、視聴者の皆さんにも大いに共感いただけたのではないかと思います」とコメント。さらに、「選手の目線で、一つ一つのプレーを読み解く解説も大変参考になり、NHKの中継をいっそう魅力的なものにしていただいた」と感謝を示した。

会見では、日本サッカー協会会長の宮本恒靖氏との対談にも触れた。井上会長によると、宮本会長からは「テレビを通じて世界の舞台に触れ、憧れを抱いた子どもたちがサッカー選手となり、やがて次の世代の選手や指導者となっていく」という話があったという。これに対し井上会長は、「そうした循環の一端を、公共放送として支えることができていたのであれば、大変うれしく感じています」と語り、テレビ放送が日本サッカーの発展に果たしてきた役割の大きさを強調した。

最後に今後の放送予定についても説明し、「(日本時間)21日に行われる日本代表2戦目のチュニジア戦はBSで、また26日に行われる3戦目のスウェーデン戦は総合テレビとBSプレミアム4Kで生中継します」と案内。「決勝トーナメントに勝ち進んだ場合も、日本代表の試合はすべて生中継でお伝えすることにしていますので、引き続きお楽しみいただければと思います」と視聴者へ呼びかけた。

日本代表の粘り強い戦いと、本田圭佑による臨場感あふれる解説が大きな反響を呼ぶなか、井上会長は改めてワールドカップが持つ影響力の大きさと、公共放送としてその熱狂を全国へ届ける意義を強調する会見となった。

筆者:奥崎覚(編集部)

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