J2のモンテディオ山形は、2028年8月開業を目指す新スタジアム構想「Rediscovery YAMAGATA」に関し、総合不動産開発会社の株式会社エスコンとの共同記者会見を6月15日に実施した。
新スタジアム構想を巡っては、エスコンによる出資発表後に相田健太郎社長の報道機関記者への不適切発言問題が発覚し、当初3月に予定されていた共同会見が延期される事態となった。
クラブは第三者委員会による調査を実施し、その後、相田社長への処分や再発防止策を公表。6月18日にはJリーグから相田社長およびクラブに対してけん責処分が科されており、一連の問題を経てようやく今回の共同会見実現に至った。

会見では、エスコンが新スタジアム事業を担う株式会社モンテディオフットボールパークへ出資する背景や、スタジアムを核とした地域活性化構想について説明。エスコンは最大50億円を出資するとともに、モンテディオ山形を連結子会社化し、クラブ経営とスタジアム事業を一体的に支援する方針を示している。
「Rediscovery YAMAGATA」は単なるサッカー専用スタジアム建設ではなく、「スポーツとビジネスが融合した地方創生」をコンセプトに掲げる大型プロジェクトだ。最新設備を備えた新スタジアムの整備に加え、周辺エリアの回遊性向上や商業機能の充実を図り、365日人が集まる交流拠点の創出を目指す。スポーツ観戦だけでなく、観光、イベント、ビジネス利用などを通じて交流人口を増やし、「山形の再発見」をテーマに地域ブランドの向上につなげる構想となっている。

相田社長は「このプロジェクトはスタジアム建設そのものが目的ではなく、完成後に地域や山形県をどう発展させていくかを考える未来創造の事業」と強調。一方、エスコンの伊藤貴俊社長も、2026年3月に着工した新スタジアムについて「スポーツ、観光、インバウンドの拠点として山形の魅力を全国、世界へ発信したい」と語った。
また、会見では地元経済界やサッカー界からも期待の声が寄せられた。山形銀行の佐藤英司頭取は、新スタジアムを地域活性化を担う重要な社会インフラと位置付け、金融機関や地元企業との連携強化を表明。山形県サッカー協会の桂木聖彦会長は、一時停滞しかけた構想が再び前進したことを歓迎し、「全国のJクラブにとってもモデルケースとなり得る」と期待を示した。
さらに、2013年のクラブ株式会社化以来、株主として経営支援を続けてきたアビームコンサルティング株式会社も祝意を表明。「スポーツの力で地域に新たな価値を創出するビジョンそのもの」と評価し、今後もクラブの挑戦を支援していく姿勢を示している。

新スタジアムは2028年8月の開業を予定しており、山形県と天童市は企業版ふるさと納税による寄付も募集。クラブはエスコンとの協業を通じて、スポーツを核とした新たな地方創生モデルを山形から全国へ発信していく考えだ。
筆者:奥崎覚(編集部)
試合だけでなくユニフォーム、スパイク、スタジアム、ファン・サポーター、カルチャー、ビジネス、テクノロジーなどなど、サッカーの様々な面白さを発信します。現場好き。週末フットボーラー。




