北中米ワールドカップで、新たに導入された規則が再び大きな話題を呼んだ。
決勝トーナメント1回戦でメキシコに0-2で敗れたエクアドルは、大会敗退に加え、試合終了間際にDFピエロ・インカピエが一発退場処分を受ける後味の悪い結末となった。
メキシコのアステカ・スタジアムで行われた一戦は、雷雨の影響で開始が遅れるアクシデントがあったものの、メキシコが前半にフリアン・キニョネスとラウル・ヒメネスのゴールで主導権を握り、そのまま2-0で勝利。開催国メキシコが16強入りを決めた。
一方、波紋を広げたのは後半アディショナルタイムだった。インカピエはFWサンティアゴ・ヒメネスとの口論の最中、自らの口元を手で覆いながら言葉を発した。
この行為を受けて主審はVARの確認を実施し、ストレートレッドカードを提示。エクアドル代表DFはそのまま退場となった。
この処分は、今大会から導入された通称「ヴィニシウス・ルール」に基づくもの。同ルールは、選手が対立する場面で手や腕、ユニフォームなどで口元を隠して発言する行為を禁止し、侮辱的・差別的発言を秘匿することを防ぐ目的で制定された。対立中の口元を覆う行為は一発退場の対象となる。
「ヴィニシウス・ルール」と呼ばれるのは、ヴィニシウス・ジュニオールが2026年のUEFAチャンピオンズリーグで、相手選手が口元をユニフォームで隠して差別的発言をしたと訴えた事件がきっかけとなったためだ。
FIFAとIFABは、このような暴言や差別発言を隠す行為を防ぐ目的で新ルールを導入し、事件の象徴的存在だったヴィニシウスの名前を取って「ヴィニシウス・ルール」と通称されるようになった。
今大会ではグループステージでパラグアイ代表のミゲル・アルミロンがトルコ戦で同様の理由により退場・1試合出場停止となっており、インカピエは「ヴィニシウス・ルール」による今大会2人目の退場者となった。
新たな規則は、今後も世界最高峰の舞台で大きな注目を集めそうだ。
筆者:江島耕太郎(編集部)
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