パレスチナの希望を支えた人物が命を落としたと、イギリスの公共放送『BBC』が報じている。
イスラエル軍の空爆により死亡したのは、人道支援団体「エジプト救援委員会」で活動していたモハメド・アル=ワヒディ氏。
戦前は英語教師だったが、ガザでは避難民への食料支援や避難キャンプの運営に尽力し、多くの住民から親しまれていた。
『BBC』によれば、近年はガザ市やデイル・アル=バラフ、アル=マワシ地区で北中米ワールドカップのパブリックビューイングも企画。戦争で娯楽を失った子どもや家族が、巨大スクリーンの前で試合を楽しむ時間を提供していたという。
しかし、アル=ワヒディ氏はエジプト対アルゼンチンによる決勝トーナメント1回戦のパブリックビューイングが予定されていた当日に空爆で死亡。会場に集まるはずだった人々に大きな衝撃を与えた。
パレスチナ代表は今大会に出場していない。それでもガザでは、歴史的・文化的な結びつきが深い隣国エジプト代表への支持が根強く、多くの住民が同国の試合に熱狂していた。
イスラエル軍は「ハマスの工作員を標的とした攻撃だった」と説明している一方、『BBC』は現場でアル=ワヒディ氏のほか、通行中だった8歳と10歳の兄弟を含む4人が死亡したと伝えている。
世界中がワールドカップの熱戦に沸くなか、その日常さえ戦火によって奪われる現実が改めて浮き彫りとなった。
筆者:江島耕太郎(編集部)
画像提供:Getty Images
