サッカーで最も難しい能力の一つが「判断」である。同じ状況にいくつもの選択肢があり、その一瞬がゴールにもボールロストにもつながる。
『Football365』は、データ分析会社Gradient Sportsの「possessions with a better option」という指標を使い、2026-27シーズンのプレミアリーグで「実際に選んだプレーより良い選択肢があった」と判定された回数の多い選手を紹介した。
なお、同じ回数で並んだ場合は「90分あたりの割合が多い選手」が上位になっているとのこと。
10位:ペドロ・ポロ
所属:トッテナム・ホットスパー
より良い選択肢があったポゼッション:7回
TOP10で唯一7回でのランクインだが、出場時間を踏まえると数字の重みは大きい。今季90分以上プレーした選手のなかで、90分あたり2.96回はリーグ最多だという。
しかも、その大半がシュート選択に関わる。今季放った7本のうち6本について、ほかに良い選択肢があったと判定されている。
ただ、高い位置まで上がってエリア外から右足を振るのは、以前からポロの持ち味だ。実際にロングシュートを沈める力もあるため、本人の中では十分に狙う価値がある場面も多いのだろう。
ロベルト・デ・ゼルビ監督も積極性そのものを消す必要はないはずだ。課題は「撃てる」と「撃つべき」の区別だけであり、今後さらに厄介な攻撃型SBになる可能性は高い。
9位:イゴール・チアゴ
所属:ブレントフォード
より良い選択肢があったポゼッション:8回
センターフォワードだから、無理に撃った場面が多いのかと思えば、実はそうではない。Gradient Sportsによると、チアゴの場合は「別のプレーを選ぶべきところでシュートを打った」より、「自ら運ぶことを選んだが、ドリブル以外のほうが良かった」ケースのほうが多いという。
これはスタイルをよく表す数字だ。チアゴはゴール前で待つだけのフィニッシャーではなく、前線で受けてフィジカルを生かして自ら前進できる選手である。
ただ、カウンターで受けた際に1対1を選ぶより、追い越してくる味方へ落としたほうが攻撃が続く場面もあるともいえる。
8位:リアム・デラップ
所属:ノッティンガム・フォレスト
より良い選択肢があったポゼッション:8回
同じ8回ながら、内訳はチアゴと対照的だ。Gradient Sportsによれば、8回のうち6回がシュートを選んだ場面であり、「撃たずに別のプレーを選ぶべきだった」と判定されたようだ。
しかも出場時間を考えると頻度は高い。TOP10のうち8人は、デラップより100分以上多くプレーしている。
とはいえ、これはストライカーとしての積極性の裏返しでもある。コースが少しでも見えれば迷わず振る姿勢は、決して悪いことではない。持ち前のパワーと直線的なプレーを保ちながら、一つ余分に味方を見られれば、チームの決定機も増える。
7位:アレックス・スコット
所属:ボーンマス
より良い選択肢があったポゼッション:9回
『Football365』は「疲れて判断を誤っているのかもしれない」と書いていた。スコットは今季、総走行距離でリーグTOP5、高速ランニングではTOP3に入るほど動いているからだ。
もちろん走行距離と9回に直接の因果関係はない。ただ終盤に疲労が溜まれば、普段なら見える味方の動きを見落とすことも、早めに出すべき場面で持ちすぎることもある。
スコットの魅力は、自ら運べるMFであることだ。プレッシャーを受けてもターンし、ドリブルで中盤を割れる。現代の中盤では突破力と同じくらい「どこで預けるか」が重要になるということでもある。
