ルーニーである。世界で最も万能であろうこのFWが軸であるユナイテッドであるが、毎年その役割は変わっている。その中でも結果は残しており、彼の才能はそこであると言うものも多い。

クリスティアーノ・ロナウドがいるころは彼のサポートに回りつつも結果は出し続け、彼がいなくなった後はアントニオ・バレンシアというアシストの玉手箱を見つけ、1トップとしてゴールを量産した。昨シーズンはチチャリートという相性のいいパートナーを得て、1.5列目としてのプレーの幅も広げた。ベルバトフとは噛み合わなかったが、大抵の役割をこなすことが出来るルーニーがいる限り、仮に香川が加入しても、上手く行きそうな気はする。

しかしその場合、香川はサイドか1.5列目でプレーすることになるだろう。その場合、サイドであればナニ、バレンシア、ヤング、トップであればチチャリートかウェルベックが居場所を失うことになり、これらの人材の出場機会をさらに失うことは、若返りを図っている最中であるユナイテッドにおいてあまり得策ではない。

もちろんチーム内に競争を持ち込んでくることは別に珍しいことではなく、これまでにも幾度と無く行われてきたが、契約を延長したばかりの選手もいることと、将来明るい若手が多いことを考慮すると、想像しにくいのもとした。