ドイツ代表の欧州予選は圧巻という他なかった。10戦9勝1分、総得点36。予選に参加した全チームの中で最多タイの勝ち点で勝ち抜け、16大会連続となる本大会行き決めた。さすがに、ここ8年間の主要国際トーナメントの全てでベスト4以上に進んでいるだけはある。

そんなドイツ代表も、いよいよ熟成の時を迎えている。チームの主力は若手選手であるが、中心選手の年齢も20代半ば。チームはW杯や欧州選手権で長く経験を培ってきており、次のW杯にかかる期待も相当大きい。 

ヨアヒム・レーフ監督が採用するのは4-2-3-1。基本的にはお馴染みのメンバーで構成されているが、バスティアン・シュヴァインシュタイガーやサミ・ケディラの負傷もあり、最近は専らチームとしてのオプションを膨らませている。昨年11月に行われたイングランド戦ではラース・ベンダー×スヴェン・ベンダーの双子兄弟がボランチを組み、イタリア戦ではフィリップ・ラームをアンカーにした4-1-4+マリオ・ゲッツェの1トップという、バイエルンライクなシステムを採用し話題となった。いずれにしても、チームとしての基盤は既に完成しており、現在はよりその幅を広げるという方向にシフトしている。まさに、「悲願の優勝に向けて死角なし」と言ったあたりだろうか。

また、ドイツ代表で密かに注目されるのが、サプライズ選出。先日、レーフ監督が アーセナルに所属するセルジュ・ニャブリを高評価し、W杯のメンバー入りの可能性を仄めかした。ドイツ代表といえば2006年にダヴィド・オドンコーのサプライズ招集の例もあり、その可能性が低いとも言い切れない。