遠くで聞こえていた歌声が少し近づいてくるような気配を感じ、筆者は駅前を後にした。いつもは買い物客で賑わう大通り。だがこの日は、赤と白を基調とした地元クラブ、サンダーランドのグッズを身につけた人々で活気づいていた。試合開始2時間前、ファンたちがスタジアムへと向かい始める時間帯だ。

試合開始1時間前、この街の象徴であるウェアマウス大橋へ向かう。スタジアムへ向かう人と、サポーターを乗せたバスの往来で、通りは慌ただしくなってきていた。その流れに乗るように、筆者も橋の向こう側へと渡る。

低い、地鳴りのようなブーイング。スタジアムに最寄りのSt Peters'(セント・ピーターズ)駅に到着した、ニューカッスルサポーターに向けられていたものだった。