今季リーガ・エスパニョーラでド派手なデビューを飾った16歳の新鋭である。背番号は27番。つまり1軍選手が1～25番をつける決まりのあるリーガではトップチーム登録ですらない のだが、開幕前のプレシーズンマッチやヨーロッパリーグ予備戦で新加入のデ・マルコスと共に出場機会を得ると、それまでビルバオのオフェンス陣の顔であるジェステ、スサエタ、エチ ェベリアを過去においやる様な衝撃的な活躍を見せた。どのくらい衝撃的かというと、クラブの最年少出場記録、クラブ最年少得点記録、リーガ・エスパニョーラ最年少得点記録。それら を、デビューからわずか2ヶ月強で達成してしまったのだ。

昨シーズン（2008-2009シーズン）はBチームにあたるビルバオ・アスレティックで13試合1ゴール、つまりシーズン途中にさらに下の年代から飛び級であがってきて“ちょっと"使わ れた程度だったわけだが、14歳の時点で「面白い選手がいる」とトップチーム帯同をさせたカパロス監督の洞察力にも拍手を送りたい。

ムニアインのプレースタイルはひどく単純だ。ボールを持ったらとにかく積極的にしかける。だが、169cm63kgと小柄な体の割にボディバランスがしっかりとしており、決して逃げ ることはしない。密集したディフェンスを無理にでもこじあけていきシュートを狙うスタイルが得意だ。そうした意味では、ボールを持ったらシュートだけを考えている様な最近のメッシ が好むドリブルスタイルに近く、10月4日のバジャドリッド戦で77分にリーガ初ゴールをあげたのは何も不思議ではない。

奇しくもデビューとなったエスパニョール戦は、我らが誇る中村俊輔選手のリーガ・エスパニョーラデビュー戦でもあり、日本人の中では既にこの“ビルバオのワンダーキッド"を知っているという方も多いであろう。 10月24日からはスペイン代表としてU-17ワールドカップに挑むムニアイン。世界中のスカウトが彼の移籍金をまた一桁高くせざるを得ない1ヶ月が訪れ るといっても過言ではない。

【厳選Qoly】なぜ？日本代表、2024年に一度も呼ばれなかった5名

ラッシュフォードの私服がやばい