Brazil
3
1-0
2-0
0
Iran
D・アウヴェス
パト
ニウマール
14'
68'
90+2'
得点者


(日本時間)8日深夜にUAEのアブダビで行われたブラジルとイランの親善試合は、ブラジルが3-0と完勝した。

ブラジル代表監督マノ・メネゼスは、代表就任後に様々な選手を実験的に登用しているが、この日も代表初出場となったコウチーニョがスタメンを飾るなど、新布陣を選択した。だが、相手がイランレベルともあらば、個人技で試合を片づけてしまえるのが“セレソンの”強み。(パトがサイドでボールを受けたがるため)実質0トップとも呼べる前線は、目まぐるしいポジショニングと短いパス交換でイラン守備陣を幾度となく混乱に陥れ、中央に意識を傾けさせた後でのダニエウ・アウヴェス、アンドレ・サントスの両サイドバックのオーバーラップでも苦しめた。

守備のほうでも、しっかりとブロック形成をしつつも、「取り所では迷いなくチャレンジする」という意識がはっきりしていたことで、何度も高い位置でのボール奪取に成功するなど、W杯南アフリカ大会メンバーの多くが不在ではあるが、彼らの必要性を感じさせない内容を披露。とりわけ、守備的MFで起用されていたルーカスの的確なチェック&カバー、ダヴィド・ルイスのクレバー且つアグレッシブなディフェンスには目を引いた。

対するイランは、相手にボールを預けている時間が続き、苦しい内容に終始。現ブラジル代表の弱点とも言える、不安定な対セットプレイを突き、決定機を得たこともあったが、オフサイドの判定が下るなど運にも見放された。技術力の高い中盤での攻撃の組み立て、個人技を活かしたサイドからの崩しに関しては、“それなり”の威力はあるが、それもアジアレベルでの話。更なるチーム力UPのためには、彼らが作った数少ないチャンスをものにできるような、強烈なタレントを持ったストライカーの確立が必須になるか。

ストライカーと言えば、後半途中にネクーナムからキャプテンマークを譲り受け、1トップで起用されたカリム・バゲリのことも紹介しておこう。

正確なパスワークと強烈なシュート力を最大の武器とするバゲリは1993年にイランの代表キャップを飾ると、そこから87試合の代表キャップを積聚(せきしゅう)。MFとしては異常とも言える50得点というゴール数を上げるなど、貴重な得点源としても長くイラン代表を引っ張ってきたが、遂にこのブラジル戦を持ってそのキャリアも終焉。(代表引退試合をかねた)顔見せ出場ということもあり、本来のポジションであるMFで起用されなかったことは残念であったが、彼がピッチに登場した時に手向けられたイランサポーターの大きな拍手は、彼自身にとって忘れ得ぬハイライトの一つになったことだろう。

(筆:Qoly編集部 T)


【厳選Qoly】なぜ?日本代表、2024年に一度も呼ばれなかった5名

ラッシュフォードの私服がやばい