「柏から世界へ」を体現しようとする現役大学生Jリーガーがいる。J1柏レイソルDF関根大輝(ひろき)だ。
名門・静岡学園中学、高校から拓殖大に進学すると、大学3年(現4年)ながら、今季J1リーグ開幕京都サンガFC戦でリーグ戦デビューを飾った。さらにJリーグでの活躍を受けて今夏はパリ五輪に臨むU-23日本代表のメンバー入りを果たした。同大会では惜しくも準々決勝でスペイン代表に敗れたものの、身長187センチの大型サイドバックとしてチームの攻守を支えた。22歳は勢いそのままに10月、11月は森保ジャパンの一員となった。
A代表での公式戦はまだ出場できていないが、自身が描く青写真を明かした。
(取材・文 浅野凜太郎)
A代表で感じた刺激と共通点
――10月には初のA代表に選出されました。J1第33節横浜F・マリノス戦(1○0)直後の招集だったと思います。
「マリノス戦が終わってから、すぐに(代表招集を)言われました。国内組の出発がその日の夜だったので、『すぐに出るぞ』と言われて…(笑)。急いで準備をしてからクラブハウスに戻ってきて、出発しました。
次の日の便でもいいと言われていたんすけど、森保さんや他の国内組とも一緒に行けるから、挑戦してみようと思いました」
――反響も大きかったのでは。
「いろいろなメッセージをもらいましたけど、追加(招集)なので。たぶんA代表にしっかりと招集されていたら、もっとすごかったのかもしれないですね(笑)」
――初めてのA代表は率直にいかがでしたか。
「いろいろな選手とほぼ初対面だったので、最初はすごく緊張しました。でも佑都さん(DF長友佑都、FC東京)からいじってもらえたりしたので、だんだんと慣れていきました」
――長友選手とはどのようなお話をされましたか。
「佑都さんとお話する機会が多かったんですけど、経歴が似ている部分があると思いました。佑都さんも大学生でFC東京に行って、オリンピックにも出場。そのまま1年目の早い段階で代表にも定着していたので、やっぱりすごいなと思いました。
でもそこまでの過程は、自分とすごく似ていると思った。大事なのはここからどうやって成長していくかだと思います。佑都さんは高いレベルでずっとプレーしてきた。日ごろの意識で、自分の行ける場所が決まってくる。そこは佑都さんを見て、大切にしていかないといけない部分だと思いました」
――実際に日本代表の活動では欧州組の鳥かごに入っていく姿などが印象的でした。意識して入りましたか。
「そうですね。どのグリッドもレベルは高いんですけど、やけにあそこは(欧州組が)固まっていた(笑)。もちろんあそこに入るだけでも自分に緊張感は出てきますし、そういうところでやりたいとずっと思っていたので、あのメンバーのところに入れるようにしていました」
――代表で刺激を受けた選手はいましたか。
「みんな本当にうまいんですけど、やっぱり守田選手(MF守田英正、スポルティングCP)はボールを取られないですし、逆に奪うこともできる。そもそもミスをしないですし、囲まれても焦らない部分が本当に上手だと思いました」