ひと回りほど年齢の違う相手選手にも臆さない関根だが、ピッチ外では先輩たちからいじられ、可愛がられる一面もある。ついつい現役の大学生だと忘れてしまう22歳のキャリアは無限の可能性が秘められている。
プレミアリーグ挑戦を目指す
――プロ1年目から日本代表へと駆け上がっていますが、環境の変化に苦労はしませんでしたか。
「大学時代もいまと似たような生活でした。拓殖では朝練習をやってから筋トレ、そのあとにご飯を食べて、また筋トレをしていました。いまと同じような生活リズムだったので、こっち(柏)に来てからも、戸惑いはありませんでした」
――大学生活も終わりに近づいていると思います。順調に卒業はできそうですか。
「大学3年の前期には単位をほとんど取り終わっていましたし、僕の学部は卒論もないので、大丈夫だと思います」
――すごいですね。大学のご友人たちはいまごろ遊んでいる時期ですかね。
「そうですね(笑)。でも特に羨ましいとかはなくて、自分は遊ぶのがすごく好きなタイプというわけでもないんです。なんだか疲れてしまって(笑)。だからあまりどこかに出かけたりもしませんね」
――でも今年は世界中を飛び回った。
「いろいろな国に行きました。一番良かった国はフランスですね。でも意外にカタールも良かったんですよ。ホテルもすごく綺麗だし、食事はシェフがついてくれていた。もちろん、周りの人に助けられていた部分もありましたけど、自分の中ではカタールもいいなと思いました」
――フランスはパリ五輪で訪れたと思います。オリンピックで得たものを教えてください。
「パリ五輪でスペインに負けたときに、もう一回このユニフォーム(日本代表のユニフォーム)を着て、スペインにリベンジしたいと思いました。
日本を代表して戦うことの重みや誇らしさは、あの大会を通して感じた部分です。またあのユニフォームを着たいと強く思っていますし、もうA代表しかないので、いち早く試合に出られるように頑張りたいです」
――今後のキャリアの展望を教えてください。
「最終的にはプレミアリーグでやりたいです。代表ではプレミアだけはなくて海外でやっている人が多いですし、自分はそれぞれの地域の話もよく聞いていて、その時間が一番楽しいです」
――イギリスだとご飯の心配はないですか。
「みんな『結局、慣れだよ』と言いますね。もう出されたものを食べるしかないって。日本との違いもよく分かったので、自分も慣れていくんじゃないかな(笑)」
――先ほどカタールが良かったとおっしゃっていましたが、近年では中東のリーグに向かう選手も増えていますよね。関根選手はどうですか。
「それも一つの方法だとは思います。でも僕はさっきも言った通り、プレミアに行きたい。
それを考えたときに、踏んでいくステップというものがあると思うんです。行くべき場所は自分で考えながら決めてく必要がありますし、違いをつくれる選手になれば、そういう舞台にも絶対に行ける。そこで活躍した後に、最後に行く考えはあるかもしれないですけどね(笑)」
憧れの地であるイングランドへと着実に向かっている関根は、堅実なキャリアプランや私生活とは対照的に、ピッチでは大胆不敵なプレーを披露する。
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"ここぞ”というときには大きな一歩を踏み出せるからこそ、静岡学園、拓殖大、柏レイソル、パリ五輪、日本代表と歩みを進めてこられたのだろう。「あっという間の1年でした」と振り返った関根は、来シーズンも駆け抜ける。