[第103回全国高校サッカー選手権準々決勝、東海大相模高(神奈川県代表)2-1明秀日立高(茨城県代表)、4日、神奈川・Uvanceとどろきスタジアム by Fujitsu]
準々決勝が4日に関東圏各地で行われ、2-1で東海大相模高が逆転勝利した。初出場の東海大相模高が地元神奈川県で国立競技場への切符を手にした。黄色と黒の背番号10を背負うMF沖本陸(3年-大豆戸FCジュニアユース)が1得点1アシストを記録してチームを勝利に導いた。
監督夫妻が予感していた背番号10の活躍
前半34分、東海大相模高はコーナーキックから痛恨の先制点を献上したが、この失点で目を覚ましたタイガー軍団が牙を向いた。
前半終了間際の40分に沖本が右サイドからのクロスボールにヘディングで飛び込み同点にすると、後半25分には再び沖本がペナルティーエリア内でシュートをMF高畑旺崇(おうしゅう、3年-湘南ベルマーレU-15EAST)が左足で叩き落とし、そのまま左足でニアに逆転弾を突き刺した。
この試合の勝利の立役者となった背番号10は「小林晄也(こうや、3年-横浜FCジュニアユース戸塚)くんがクロスを挙げると分かっていたので、スペースに走り込んで頭で合わせるだけでした」と先制点を振り返った。得意ではなかったヘディングシュートだったが、「絶対に点を取る」という強い気持ちが得点に結びついた。
試合終了後に東海大相模高の有馬信二監督は「昨日、奥さん(純子さん)と『5人点を取ってるんだけど、沖本がまだなんだよ』と話したら(奥さんが)『明日とるんじゃないの?』と言っていたので『お前もそう思う?俺もそう思うんだ』と。そしたら本当に(点を)取っちゃった(笑)」と、前日の妻・純子さんとのエピソードを明かした。
守備では全員が試合終了のホイッスルが鳴るまで足を止めずに走り続け、明秀日立高の攻撃陣の猛攻をシャットアウト。
今年の3年生の修学旅行では、選手たちが自発的に沖縄県へアップシューズを持っていき、早朝に走り込みをしたという。継続的に走り続けて体力を向上させた選手たちの努力により、粘り強く守り勝った。
次の対戦相手は、準々決勝で上田西高(長野県代表)に8ゴールを挙げて大勝した流通経済大附属柏高(千葉県代表)だ。
優勝候補筆頭の強豪校が相手だが、それでも沖本は「今まで通り、パスをつないで勝つサッカーがしたい」と、これまで積み上げてきたスタイルで決勝進出への決意を口にした。
静岡学園が準々決勝敗退。J1川崎フロンターレ内定のDF野田裕人主将は等々力での活躍を誓う
野球部、ラグビー部が全国大会常連の名門校として知られる東海大相模高。今年は夢の国立競技場でサッカー部が歴史新たな足跡を残す。
(取材・文・撮影 Ryo)