先月下旬、リオ・デ・ジャネイロ北部のファヴェーラ(スラム街)で、犯罪組織と警察が激しく衝突。2014年のブラジルW杯や2016年のリオ・デ・ジャネイロ五輪に向けて治安改善を図りたいブラジル政府は、さらに軍隊を投入。犯罪組織も抵抗したため、現地は市街戦の様相を呈した。そうしたファヴェーラの一つが、元ブラジル代表のアドリアーノが出入りしていたとされるシャトゥーバ地区。今回の摘発で警察は大量の麻薬や武器を押収した。

◆ シャトゥーバにて押収された1トンのマリファナ 【外部リンク】


以前から犯罪組織との関係が噂され、今年5月には友人と共にライフル銃を手にしている写真が現地紙に掲載されたアドリアーノ(弁護士はおもちゃと説明)。この組織、コマンド・ヴェルメーリョ(Vermelhoは「赤」の意。略称は“CV”で、アドリアーノは写真でそれを模したポーズをとっている)が、警察のヘリコプターを撃墜し、警察官3人を死亡させた事件に関わるとされる凶悪なグループだったことから、その後アドリアーノには警察から出頭命令が届いた。

このように、ピッチ外でも“皇帝”のような存在感を放つ彼だが、今夏のローマ移籍後、肝心のプレーの方はといえば、怪我もあってここまでは期待はずれの出来。ようやくコンディションの整ってきた前節のキエーヴォ戦が今季4試合目で、初の先発出場となった(試合は2-2で引き分け)。まだまだ絞れそうな体つきとはいえ、ロマニスタにとってはライバルのラツィオが好調なこともあり、昨年フラメンゴを17年ぶりの全国選手権優勝に導いたときのようなアドリアーノのパフォーマンスを早く見たいことだろう。ただ、あまりにも試合出場の機会が少ないため、冬にブラジルへ復帰するという噂も聞こえてきた。移籍先にはパルメイラス、古巣のフラメンゴといった名前が挙がっているという。

インテルの主力として活躍し、一時はセレソンのエースストライカーともなった“皇帝”アドリアーノ。28歳とまだまだ働き盛りの彼はこの先、どこへいくのだろうか。


(筆:Qoly編集部 O)

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