ブラックプール
創立 | 1887年 |
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ホームタウン | ブラックプール |
本拠地 | ブルームフィールド・ロード (16,220人収容) |
監督 | イアン・ホロウェイ |
昨シーズンの成績 | 19勝13分14敗 チャンピオンシップ6位 |
IN | |
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クレイグ・キャスカート | マンチェスター・ユナイテッド |
リュドヴィク・シルヴェストル | ムラダー・ボレスラフ(CZE) |
エリオット・グランダン | CSKAソフィア(BUL) |
マロリ・マルタン | ASモナコ(FRA) |
マーロン・ヘアウッド | フリー |
クリス・バシャム | ボルトン |
デケル・ケイナン | フリー |
マーロン・ヘアウッド | フリー |
マット・フィリップス | ウィカム |
D.J. キャンベル | レスター |
デイヴィッド・カーニー | トゥエンテ |
リチャード・キングソン | フリー |
ルーク・ヴァーニー | ダービー(レンタル) |
OUT | |
スティーヴン・マクフィー | 引退 |
ジョー・マーティン | 放出 |
ダニー・ミッチリー | 放出 |
ダニエル・ナルディエロ | 放出 |
ベン・バージェス | ノッツ・カウンティ |
バリー・バナン | アストン・ヴィラ(復帰) |
アルハッサン・バングラ | 放出 |
アムール・ブアッザ | アルル(FRA) |
シェイマス・コールマン | エヴァートン(復帰) |
スティーヴン・ドビー | スウォンジー(復帰) |
イングランド北西部ランカシャーにある、避暑地ブラックプールに本拠地を置くチーム。今季実に40年ぶりにトップリーグに昇格し、「プレミア史上再弱」という前評判を覆す善戦を見せている。
前評判も当然ではあった。チームの中でまともにプレミアを経験しているのはジェイソン・ユーエル(元チャールトン)だけで、財政的な理由からプレミア経験者を獲得することもできなかった。また、16220人収容というスタジアムのキャパシティはプレミアでもっとも少ない。近所にはブラックバーン、プレストン、バーンリー、マンチェスター、リヴァプールがあり、新たなファンを獲得できる見込みも薄い。つまり、ブラックプールは財政的なハンデを背負ったままでプレミアを戦っていかねばならないということだ。
そうした苦しい状況の中で、ホロウェイ監督率いる“タンジェリンズ"はどんな戦い方をしているのだろうか。
フォーメーションは一貫して4-3-3。前線から激しくプレッシャーを欠け、高い位置でボールを奪うことを狙っている。対応してディフェンスラインも高めに保たれており、相手にスペースを与える代わりに、こちらもスペースを引き出している。
攻撃パターンは大きく分けて二つ。1つは前線からのプレッシャーで相手の組み立てを乱し、中盤でカットしてからのアダムのスルーパス。もう1つは、ディフェンスラインでボールを奪ってから、逆サイドのウィングに大きく振るロングパスだ。1つ目のパターンでは、プレッシャーに耐えてボールをキープし、相手サイドバックの裏に鋭くスルーパスを通すアダムの能力が存分に発揮されている。2つ目のパターンでは、斜めに走るウィングの頭にロングボールを合わせ、こぼれ球をダイレクトでつないでシュートまで持っていく形が目立っている。このパターンで光るのはFW陣の空中戦の強さと、非常によく訓練されたランニングのコース取り、タイミング、連携だ。
■D.J. キャンベル(イングランド/29歳)
圧倒的なスタミナを持つ、ヴィラ・ユース出身の韋駄天。試合終盤になっても動きを止めず、最前線でひたすらに相手DFを追い回して守備の先鋒を担っている。また、こぼれ球に対する読みが素晴らしく、ロングボールの放り込みや混戦で力を発揮する。ボールを持っても一人で持ち込んで強烈なシュートを打つことができる。シュート、パス、ヘディングともに精度にはやや欠けるものの、タンジェリンズには欠かせない選手。
■ギャリー・テイラー=フレッチャー(イングランド/29歳)
キャリアの大半を3部以下で過ごしてきた苦労人。タンジェリンズでは主に右ウィングを担当する。。空中戦で競り勝つこと、キャンベルとヴァーニーにスペースを作り出すことが主な役割。スピードはさほどなく、ドリブル突破は少ない。空中戦に強く、DFからのロングボールに競り合う局面で強さを見せる。また狭いスペースでのプレーがうまく、小さいモーションから正確なパス、シュートを出せる。
■ルーク・ヴァーニー(イングランド/28歳)
ダービーからのレンタル移籍で加入。ロングボールの競り合い、スピードを活かした裏への抜け出し、ドリブル突破、前線からのプレッシャーが主な役割。雑だがスピードはあり、直線的なドリブルはたまに見せ場を作り出す。思い切りがよく、混戦から抜け出して早いタイミングでシュートを打つのが得意。
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■エリオット・グランダン(元フランスU-21代表/23歳)
元マルセイユのセカンドストライカー。タンジェリンズのMF陣は役割がきっちりと分けられており、3人がそれぞれ大きく異なったプレーをする。グランダンはその中でもキープ力を活かしてボールを前に運び、3トップのサポートをすることを主な役割としている。スピードとボールスキルに優れ、狭いスペースでのボールキープに長けている。
■チャーリー・アダム(スコットランド代表/26歳)
急激に株を上げている、チームの副キャプテン。キャプテンのユーエルが試合に出ることは少ないため、試合ではアダムが腕章を巻く。中盤のやや右からDFラインの前を動きながら、的確なカバーリングでボールを奪い、長いスルーパスを繰り出す。また個人での突破にも長けており、機を見てドリブルから強烈なシュートを放つ。セットプレーでは左足からの正確なキックで相手GKを脅かす。FK、右CK担当。
■デイヴィッド・ヴォーン(ウェールズ代表/27歳)
クルー・アレクサンドラ時代はチームのスター選手だったレフティ。もともとはサイドアタッカーだが、タンジェリンズではアンカーを担う。カバーリングとこぼれ球を拾って前線につなげるのが主な役割。身体が強いわけでもなく、このポジションとしてはタックルも平凡だが、俊敏で読みが良く、うまくセカンドボールを自分のものにする。まれにセットプレーを担当。
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■ニール・アードリー(ウェールズ代表/22歳)
2008-2009シーズンに3部のベストイレブンを受賞した、気鋭のサイドバック。ヴァーニー、キャンベルへの正確なロングパスで攻撃をスタートさせる。また、MFとの連携、ポジショニング、パスやクロスのタイミングに長けている。弱点は空中戦の弱さと、スピード、フィジカルの物足りなさ。大きく曲がるFKはチームの大きな武器で、エヴァートン戦では先制点を決めている。
■クレイグ・キャスカート(北アイルランド代表/21歳)
かつてマンUユースでキャプテンを務めた逸材。両足でボールを扱えるため、彼を中心としたDFラインでのボール回しは攻撃の組み立てに不可欠。自分で持ち上がってパスを出す場面もある。統率力には欠けるものの、集中力を切らさず相手に粘り強く対応できる選手。
■イアン・エヴァット(イングランド/29歳)
ダービーの下部組織育ちの長身センターバック。イングランド人DFとしてはそれなりのボールスキルを持ち、FWに正確なロングボールを合わせる場面が見られる。ゴール前できっちり足を出し、シュートを防ぐ。空中戦にも強く、クロス対応は安心。カバーリングが苦手なのが弱点か。
■スティーヴン・クレイニー(元スコットランド代表/29歳)
セルティックトレイニー出身のレフトバック。サウサンプトン、リーズと渡り歩いて2007-2008シーズンにブラックプールに加入し、いきなりチームのシーズンMVPを受賞した。
ロングボール、オーバーラップしての前線のフォロー、カウンター時のつなぎを担当。攻撃時のポジショニング、判断に長けており、キックも正確。タイミングよく攻め上がり、シュートに絡む場面も見られる。守備でもファールが少なく、安定して活躍が見込める職人肌と言えよう。
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■マット・ジルクス(スコットランド代表/28歳)
今シーズンの活躍で一気に注目を浴びた遅咲きのGK。今やアーセナルとマンCが獲得を検討しているという噂もある。
技術的には並以下で、スルーパスやクロスに対する対応も遅い。しかしここ一番でのビッグセーブでチームを何度となく救っている。キックはそれなり。
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■マーロン・ヘアウッド(イングランド/31歳)
かつてチャンピオンシップ屈指のFWとして鳴らし、ウェストハム時代にはプレミアで二桁得点も記録したストライカー。タンジェリンズと契約した際には、「彼ほどの選手が来てくれてほんとに嬉しい」とホロウェイ監督も感激している。
主にキャンベルの控えとしてセンターフォワードに入る。キャンベルほどのスタミナ、スピードはないものの、体格を活かしたボールキープや、キャンベルにはない得点力で活躍している。開幕戦では2得点。
■マット・フィリップス(イングランドU-19代表/19歳)
ウィカム・ワンダラーズ出身のウィンガー。スーパーサブとして後半から右ウィングで起用されるほか、右ハーフ、右サイドバックの控えとしても出場する。
思い切りの良いドリブルはプレミアでも十分に通用している。スピードがあり、長い距離を走ってもコントロールが乱れないため、後半にはありがたい存在。